東京都内において子宮頸がん・ヒブ・小児用肺炎球菌を含む定期予防接種の確実な無料化と自治体間接種相互乗り入れの実現を求めます

公開日 2013年02月25日

2013年2月25日

東京都福祉保健局長 殿

東京保険医協会
会長 拝殿 清名

 

 都民の暮らしと健康を守るための日々のご活躍に敬意を表します。

 私ども東京保険医協会は、都内の開業保険医を中心に約5,270名の会員でつくる保険医の団体です。

 去る1月27日、総務大臣・財務大臣・厚生労働大臣の間で「平成25年度における年少扶養控除等の見直しによる地方財政の追加増収分等の取扱い等について」の合意がなされました。これによれば、子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進基金を活用した国庫補助事業(526億円)を一般財源化し、子宮頸がん、ヒブ、小児用肺炎球菌のワクチンについては、平成25年度から予防接種法に基づく定期接種とすることとし、既存の定期接種(一類疾病分)も含めて公費負担の範囲を90%にするため、予防接種法改正法案を次期通常国会に提出することとされました。そのための財源として、住民税の年少扶養控除の廃止による増収分の一部(522億円)と、地方税交付金交付団体においては地方交付税交付金によって手当されることが提案されています。この額(522億円)は接種費用の45%として国が支出していた子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進基金の額(526億円)に相当します。24年度までの国家補助事業と同様の給付内容と照らしあわせれば、45%を年少扶養控除廃止分の一部、45%を地方交付税交付金(地方交付税不交付団体にあっては自主財源)、残りの10%を利用者負担あるいは自治体の自主財源によりカバーするということになると考えられます。

 地方自治体の負担が増える中、2月15日に行われた「東京都・特別区・東京都医師会連絡協議会」(三者協)では、23区内では無料で行うことが合意されたと聞きます。関係者各位のご英断を歓迎するとともに、確実に無料化を実現していただくよう、お願いいたします。

 ところで東京都内では、23区内と、多摩の一部でそれぞれ相互乗り入れを行っている場合がありますが、全域での予防接種事業の相互乗り入れをしておりません。このために、自治体同士の境では、かかりつけの医療機関が被接種者の居住自治体外にあり、助成が受けられないなどの問題が指摘されてきました。したがって、自己負担は無料とし、どこでもワクチンを受けることのできる体制を創ることが重要です。

 子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進特例交付金(基金)がなくなり、国の責任が大きく後退する中で、都・区市町村に対する住民の期待はますます大きくなっています。関係団体との協議の上では、下記項目の実現に向け、ご尽力いただくようお願いいたします。私どもは住む地域やお金の有無なしで格差なく、全ての子どもたちがワクチンを受けることができるように望みます。

  1. 平成25年度以降定期接種に位置づけられる予定の子宮頸がん・ヒブ・小児用肺炎球菌ワクチンも含めた定期接種ワクチンの全額無料を確実に実現していただくこと
  2. 定期接種については区部、多摩部、島嶼部間での自治体間相互乗り入れを実現していただくこと
  3. すべての都内自治体で自己負担なく定期接種が受けられるよう、都として財政支援をしていただくこと

以上

東京都内において子宮頸がん・ヒブ・小児用肺炎球菌を含む定期予防接種の 確実な無料化と自治体間接種相互乗り入れの実現を求めます[PDF:104KB]