医療保険と介護保険の給付調整の簡素化と介護給付適正化システムの指摘事項と医療保険レセプトの突合確認を中止してください

公開日 2013年04月04日

2013年4月4日

厚生労働大臣 殿
厚生労働省保険局長 殿
厚生労働省老健局長 殿

東京保険医協会
会長 拝殿 清名
病院有床診部長 細田 悟

 

 貴職におかれては国民医療の確保にご尽力され、感謝申し上げる次第です。

 要介護・要支援認定を受けて介護保険給付を受給中の患者において医療保険への保険請求もある場合、介護保険のレセプトを提出するとともに「医療保険と介護保険の給付調整」の規定に基づき、医療のレセプトを作成して請求することとされています。一方、給付調整の規定は大変複雑であり、誤請求があった場合、これまでは会計検査院が指摘して、報酬の請求先変更や返還が求められていました。

 この給付調整の運用について2012年10月に会計検査院長から厚生労働大臣に対し、是正改善をするよう求めがあり、厚労省の事務連絡等が発出されて医療保険給付と介護保険給付の突合確認が行われることになりました。東京においても後期高齢者分レセプトについて、広域連合東京保険サポートセンターが2013年1月診療分以降突合確認を行い、不備な医療保険のレセプトは返戻をすることになりました。なお、返戻レセプトが医療機関に到着するのは7月以降になるとのことです。

 医療保険と介護保険の給付調整については、「要介護被保険者等である患者について療養に要する費用の額を算定できる場合」(平成20 年厚生労働省告示第128 号)等で点数算定の可否等が示されています。給付調整について質問をした場合、行政機関でさえ、その解釈を即答できない場合があるほどわかりにくいものとなっています。それにも関わらず、給付調整規定に照らして、誤りのあるレセプトが一方的に医療機関に返戻されることは、大変厳しい取り扱いです。

 医療と介護の突合確認やレセプト返戻するよりも前に、まず介護保険から給付されている医療系サービスは、医療保険として給付することなどにより、給付調整を簡素化して、誰にでも理解しやすいものにする必要があります。

 以上のような理由により、下記の事項を強く要望します。

  1. 介護保険の医療系サービスは、速やかに医療保険からの給付に変更して、医療保険と介護保険の給付調整を簡素化してください。
  2. その上で医療機関等(保険医療機関、歯科保険医療機関、保険薬局)に対し「医療保険と介護保険の給付調整」の運用方法について周知徹底してください。
  3. 当面、介護給付適正化システムの指摘事項(誤りの可能性があり点検すべき事項)と医療保険レセプトの突合確認は、中止してください。

以上

医療保険と介護保険の給付調整の簡素化と介護給付適正化システムの指摘事項と医療保険レセプトの突合確認を中止してください[PDF:116KB]