成人男女を対象とした公費による風疹予防接種の早急な実施を求めます

公開日 2013年09月27日

2013年9月27日

厚生労働大臣　田村　憲久　様

東京保険医協会
会長　拝殿　清名

　新聞報道によれば、厚生労働省は2014年度予算の概算要求で妊娠を希望する女性とその家族のための風疹抗体検査の費用を計上し、来年度からの5年間、1回約5,000円かかる検査を国と自治体が半分ずつ負担し、無料で行えるようにするとしました。

　しかし、風疹の抗体価が高い母親からも先天性風疹症候群（CRS）の発症が報告されており、集団の免疫レベルを十分に高めることで個人を守る（CRS発症を防ぐ）という感染症予防対策が必要です。

　今回の風疹大流行は患者の8割以上が20代から40代で、男性を中心に広がっているのが特徴です。これは23歳以上の男性には予防接種の機会がなかったことと、麻しん風疹ワクチンの4期の接種率が悪く、免疫がない人が多いためと指摘されています。都の調査では、職場での感染が41.2％（東京都感染情報センター）と家庭内以外での感染が多いことが示されています。さらに女性も一回の接種では不十分であり、接種を受けていない人も多いことからCRSの発症につながっています。

　したがって、成人男女へ風疹ワクチンの予防接種をすることで社会全体が免疫力を持つことは国が取るべき最上の対応であり、風疹、CRSの制圧に必要不可欠な条件でもあります。これは幼児期からワクチン接種を始め、成人の予防接種を推進することで風疹を撲滅してきた米国などの事例を見ても明らかです。

　よって、私たちはCRSを根絶させるために、以下の施策を緊急に実行するよう国に求めます。