医療機関の生き延びる活力に確信を!ぜひ協会に入会し医療制度改善にお力添えを

公開日 2016年03月22日

東京保険医協会 理事・勤務医委員会委員長 細田 悟写真

2016年診療報酬改定では、ますます医療への財源は削られ、厳しい経営を強いられています。そればかりか、現政府は人口の高齢化に伴う、社会保障費の自然増分約1兆円/年のうち5,000億円分を圧縮する予定です。この額は、かつて2006年小泉内閣の骨太方針2,000億円の削減額の2.5倍であり、深刻な医療崩壊の再燃が予測されます。

ここで、日本福祉大学学長二木立先生の著作「地域包括ケアと地域医療連携」から一文を紹介しましょう。「7対1病床大幅削減方針の実現性と妥当性を考える」では、次のように述べています―「政府は現在36万床ある7対1病床を2年間で9万床(25%)削減し2025年までに18万床減らし半減させる方針と報道されている。しかしこれはあくまでも政府と財務省の願望であり、厚労省は7対1病床削減の数値目標は示していない」と分析しています。それはなぜか?「第1に、7対1病床が医療現場への人的配置を厚くした効果(最低限度のレベルではあるが)で、看護労働の改善がなされ、結果看護師の離職問題など看護崩壊に一定の歯止めがかかったこと。

第2に、日本の医療は民間病院主体であり、民間病院は大きな活力を持っており、7対1病床維持のために必死に対策を立て対応するのが確実だからである」と分析しています。一般に活力には「創造的活力」と危機に際して「生き延びる活力」の2種類あり、「生き延びる活力」を大半の民間病院が持っており、今までも厚労省の診療報酬操作による誘導策に必死に対応・対抗してきた歴史があります。これまで厚労省(厚生省時代を含む)は、4回の大幅な病院病床削減策を行いましたが全て失敗しています。

この民間病院「活力」の知恵袋となっているのが、保険医協会の活動です。
開業医の先生も勤務医の先生も、ぜひ保険医協会に入会し、診療報酬改善と医療制度改善のためにお力添え頂くよう切望します。

東京保険医協会
理事・勤務医委員会委員長 細田 悟