同時接種とヒヤリハットを学ぶ ワクチンセミナーに97人

公開日 2013年06月25日

ワクチンセミナーの様子

サルビア会・就労環境部(以下、サルビア会)と地域医療部は共催で、前年度に続いて第3回目となる「医師とスタッフが知っておきたいワクチンセミナー」を開催し、97人が参加した。

セミナー前日に、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会の副反応検討部会で、HPVワクチン定期接種の積極的な勧奨を一時差し控えるとの結論が出されたことや、4月の定期接種化、風疹の流行などと相まって高い関心が寄せられた。

 

風疹流行とHPV副反応どうみる

丸本百合子先生

田中眞希サルビア会部長の開会挨拶で始まったセミナーでは、ワクチン接種に積極的に取り組んでいる協会役員が講師を務めた。

丸本百合子サルビア会副部長は、風疹流行とMRワクチン、およびHPVワクチンとその副反応について、昨今のマスコミ報道も含めて報告した。丸本副部長は「他のワクチンに比べて痛みが強いHPVワクチンでは痛みによる失神が多く発生し、この失神が副反応報告の数字を押し上げている」と指摘した。また、予防接種は「国が勧めるから」ではなくて、予防接種の意義を考えて自らの意思で決めることが大切だと強調した。

細部千晴理事は、定期接種化の概要やその重要性と今後の見通し、ロールプレイを交えた同時接種の仕方、およびワクチンの取り違え等のヒヤリハット事例とその対策を話題提供した。

ロールプレイを交えた同時接種の解説 成瀬清子理事からは、看護師がワクチン接種を準備する際の注意点について、自院の取り組みを写真を交えながら説明した。

ロールプレイを交えた同時接種の解説

参加者からは、「ワクチン接種後、高熱が出た場合2回目を打っても大丈夫か」、「日本脳炎ワクチンを9歳児に接種するときの間隔は」、「サーバリックスとガーダシル、どちらを接種した方が良いか」、「サーバリックスを1、2回とスケジュール通りに接種したが、3回目に来院せず、間隔が長期間空いてしまった場合は」、「ワクチンの副反応を前面に報道して、その有益性を報道しないマスコミはおかしいと思う」など多くの熱心な質問や感想が出された。

森本玄始地域医療部長は閉会挨拶で、「次世代を担う子どもたちのため今後もワクチンを勉強していくことが重要」と述べ、盛況のうちに終了した。なお、11月6日(水)にもワクチンセミナーを開催する予定である。

7月4日(木)には、子ども支援ネットワークが主催し、協会も賛同団体として協力するワクチンパレードが開催される(※)。

「風しんの流行を止めて!妊婦さんとお腹の赤ちゃんを守って!7・4ワクチンパレード 」 (外部サイト)