循環器研究会 400回記念講演会を開催

公開日 2014年07月05日

循環器研究会 400回記念講演会

協会循環器研究会は6月21日、開催400回を記念する講演会を開催した。

第1回の研究会は今を遡ること38年前、1976年6月に聖路加国際病院の日野原重明先生をお招きし、「循環器CPC」をテーマに開催された。以来、回を重ね、2013年12月に400回を数えた。今回の研究会はそれを記念して開催した。

テーマと演者は、①「心臓の炎症性疾患のいろいろ―最近の話題」=廣江道昭先生(国立国際医療研究センター病院循環器内科)、②「ナノ医工薬学融合による独創的技術(PLGAナノ粒子製剤)を基盤とする日本発の革新的ナノ医療実現化プロジェクト」=江頭健輔先生(九州大学医学研究院循環器病先端医療研究開発学)。

演者の江頭健輔先生(左)と廣江道昭先生(右)
表彰を受ける関口守衛先生(左)

廣江先生は、最近の研究で心筋炎後に発症する心不全以外に拡張型心筋症や心サルコイドーシスなどの病態にも炎症や免疫反応が関与していることが認識されているとして、「心臓の炎症性疾患」の疾患概念、その病態と診断法、治療法などについて解説した。

また江頭先生は、世界に先駆けて日本で創出された最先端医療であるナノ粒子製剤の研究開発、ナノ技術による血管新生制御、急性心筋梗塞の治療、動脈硬化性病変の治療等について、その理論の概要と今後の可能性について解説した。

表彰を受ける関口守衛先生(左) 講演後の懇親会は、演者の2人を囲んで、循環器研究会の現在の世話人をはじめ、歴代の世話人も参加した。1977年5月に開催の第7回研究会以来、演者として、またアドバイザーとして多大なご協力をいただいた関口守衛先生(元・東京女子医大心研教授)には、拝殿会長から花束が贈呈された(右写真)。

循環器研究会は、今後も循環器、あるいはその周辺領域のテーマの中から会員の興味・関心のあるものを選び開催していく。

(『東京保険医新聞』2014年7月5日号掲載)