保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

社会保障の土台である生活保護制度の改悪は断念を ―生活保護法「改正」案、生活困窮者自立支援法案の廃案と、生活保護基準引き下げの撤回を求めます―

公開日 2013年11月06日

2013年11月6日

参議院 厚生労働委員 各位

東京保険医協会
会長 拝殿 清名

 拝啓 貴職におかれましては、日頃より国政の重責を果たされていることに心より敬意を表します。

 私ども東京保険医協会は、東京都都内の開業保険医を中心に約5,300人で構成し、患者・国民の命と健康、皆保険制度を守るために活動している団体です。

 先の通常国会において生活保護法「改正」案(以下「改正」案)、生活困窮者自立支援法案は、国民の強い反対もあり廃案となりました。しかし政府は今国会に両法案を再提出し、参議院は審議入り、趣旨説明を終えています。

 「改正」案の内容は、申請にあたっての書類提出の義務付け、扶養義務の強化(親族への保護開始の通知、親族への調査権限の強化等)などが盛り込まれており、困窮する要保護者に対して制度を利用しづらくし、国民を制度から締め出すものとなっています。生活困窮者自立支援法案も「就労支援」を名目に、生活保護の利用を妨げる手段とされる恐れがあります。

 医療扶助については、「適正化」と称して、指定医療機関の「指定(取消)に係る要件の明確化」や「指定の更新制の導入」などが盛り込まれており、指定医療機関に対する締め付けの強化で、供給面からも医療扶助を制限しようとしています。また、被保護者に対し、医師が認めている場合としながらも、可能な限り後発医薬品の使用を促すとしており、明文化することにより後発医薬品が事実上強制される危険性が高く、医療に差別が持ち込まれる恐れがあります。

 この8月からは、生活保護基準の引き下げが強行されました。引き下げの影響は生活保護利用世帯の96%にも上り、再来年4月までに世帯によっては最大で10%もの引き下げとなります。特に子育て世帯への影響が大きく、国が目指す子どもの貧困解消とも矛盾するものです。受給者からは不安と怒りの声が上がり、「審査請求」も全国で相次いでいます。

 そもそも生活保護の「捕捉率」は2割程度と国際的にみても低く、必要な世帯に生活保護がいきわたっていないことこそが問題です。国民のいのちと健康を守る医師・歯科医師として、下記事項について強く要請します。

 一、生活保護法「改正」案と生活困窮者自立支援法案を廃案にしてください

 一、生活保護基準の引き下げは撤回してください

 

以上

社会保障の土台である生活保護制度の改悪は断念を ―生活保護法「改正」案、生活困窮者自立支援法案の廃案と、生活保護基準引き下げの撤回を求めます―[PDF:121KB]

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