観劇のつどい――「待ってました!前進座」俳優の熱演にうなる

公開日 2013年05月25日

楽屋訪問した参加者と御祐筆江島を演じる山崎辰三郎丈(中央)

5月18日(土)、福祉文化部主催で、劇団前進座の歌舞伎を鑑賞する「保険医観劇のつどい」が国立劇場大劇場で開催され、会員とその家族、従業員等合わせて19人が参加した。今回の演目は「元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿」「一本刀土俵入」の二本立て。

「元禄忠臣蔵」は、全10編ある長大な作品で、今回演じられた「御浜御殿綱豊卿」はその第5編にあたる。赤穂浪士の一人で、吉良の動向を伺おうと御浜遊びの透見を願い出る富森助右衛門と、内心は赤穂浪士に共感を寄せている徳川綱豊。仇討ちの意義をめぐっての、二人の緊張感ある言葉の駆け引きが、物語の大きな見所だ。

後半の「一本刀土俵入」は、股旅物の名作で、力士になる夢に敗れた駒形茂兵衛が、かつて通りがかりの茶屋で酌婦お蔦から受けた恩を返そうと、今では娘と二人で慎ましく暮らすお蔦の元を訪ねるというもの。極貧の生活の中から劇作家となった作者・長谷川伸の独特の人間観や台詞回しが魅力である。

山崎辰三郎丈氏

参加者からは、「随分前に前進座の地方巡業を見て以来、久しぶりに同座の舞台を観劇した。やはり前進座は人情物がうまい」「時々はこうした古典に触れる機会が大切だ。また参加したい」などの感想が聞かれた。

また、開演に先立って、希望者で楽屋訪問を行い、御祐筆江島の役を演じた山崎辰三郎丈と挨拶し、前進座の国立劇場での公演の歴史や、化粧道具の紹介、それぞれの演目の見所についての解説を聞いた。