公開日 2013年12月05日
2013年12月5日
猪瀬 直樹 東京都知事殿
東京保険医協会
公害環境対策部長 赤羽根 巌
2007年の東京大気汚染訴訟の和解を受け、国や東京都、自動車メーカーなどが拠出した財源によって、都のぜん息医療費全額助成制度はスタートしました。以来7万5,000人以上の都民が利用し、その恩恵を受けています。
患者会が行ったアンケートでも、「お金の心配なく治療に専念できる(79.5%)」と答えているように、高額の医療費負担から解放されたために、外来患者は服薬や吸入が定期的にできるようになり、重症の発作で来院されることが激減しました。多くの患者さんが積極的に治療を行い、症状の改善とともに働く意欲、生きる意欲をもらっています。
ところが、東京都は国や自動車メーカーが新たな財源負担に応じないことを理由に、ぜん息医療費全額助成制度の助成額を引き下げるばかりか、新規患者の受け入れまで打ち切ろうとしています。これは多くのぜん息患者の「命綱」となっている制度を、財源問題のみを理由に後退させようとするもので断じて容認できません。
私たちは、都民の命と健康を守る保険医の立場から、このような東京都の姿勢に抗議するとともに、同制度の存続と拡充を求め、以下について要望します。
一、ぜん息医療費全額助成制度の助成額引き下げや、新規患者の受け入れ打ち切りを行わないこと
一、ぜん息医療費全額助成制度を周知徹底させて、ぜん息で苦しむ都民をひとりでも多く救済すること
一、引き続き、国と自動車メーカーに継続的な財政負担を求めること