病院(200床以上)の初・再診料に対する「未妥結減算」導入に関する要望書

公開日 2014年02月05日

2014年2月5日

内閣総理大臣 安倍 晋三 殿
厚生労働大臣 田村 憲久 殿
厚生労働省保険局医療課長 宇都宮 啓 殿
中央社会保険医療協議会会長 森田 朗 殿

東京保険医協会
会長 拝殿 清名
病院有床診部長 細田 悟

 1月29日の中医協総会で公表された個別改定項目の具体的な内容の中に突如、「(医薬品の価格交渉における)妥結率が低い保険薬局等の適正化」として「許可病床数が200床以上の病院において、妥結率が低い場合は、初・再診料等の評価を引き下げる」との方針が明示された。

 厚労省は「医療用医薬品の流通改善について(緊急提言)」(2007.9.28 医療用医薬品の流通改善に関する懇談会)の中で、「長期に渡る未妥結・仮納入とは、6ヶ月を超える場合と定義」、「1年にも及ぶ価格交渉は……経済合理性を欠いた取引」と断定し、医薬品市場実勢価格の調査の「信頼性」の確保=「未妥結・仮納入の是正」と強引に結論付けている。

 初・再診料等の減算額や妥結率については現時点で明らかにされていないが、実施に移されれば、病院が医薬品を購入する際、ペナルティ回避のために高い価格が提示されても交渉妥結に応じざるを得ないなど、経営的に多大な影響を蒙るばかりか、薬価が高止まりすることも懸念される。

 そして何より違和感を禁じ得ないのが、診療報酬の算定要件に、全く関係のない「民間の商取引の価格交渉」を無理やり結びつけて盛り込んだことである。今回の「妥結率が低い場合の初・再診料等の評価の引き下げ」という厚労省の方針は、民間の医薬品流通に「公」が強引に介入するものとして民業圧迫にあたり、到底容認できるものではない。また、公正な価格競争を定めた独占禁止法に違反する恐れもあり、市場経済を混乱させかねない。

 上記理由により、われわれ東京保険医協会は、以下について強く要望する。

 一.2014年4月点数改定において、病院(200床以上)の初・再診料に対し「未妥結減算」を導入しないこと

以上
病院(200床以上)の初・再診料に対する「未妥結減算」導入に関する要望書[PDF:116KB]