国会行動 マイナス改定・不合理点数は是正を 診療報酬改善・ゼロ税率の実現求める

公開日 2016年02月05日

改定率の内訳

協会は1月21日に、東京選出の衆・参国会議員を中心に国会行動を行った。

今次改定は、薬価・材料価格をおよそ1,300億円引き下げ、全体で▲0.84%のマイナス改定である。さらに、「外枠」として合計▲610億円など、「適正化する項目」も付記され、実質的に▲1.03%以上の影響が懸念される(右表)。

初鹿明博議員(左から二人目) 当日は、協会の田中理事、細田理事、吉田理事が参加し、初鹿明博衆院議員、池内さおり衆院議員、川田龍平参院議員とそれぞれ面談(写真)。今次「診療報酬改定」の問題点と共に、不合理な算定要件の是正を求めたほか、「損税解消に向けた“ゼロ税率”」を求める会員医師署名401筆も持参し、理解を求めた。

TPP法案 3月にも提出か

初鹿明博議員(左から二人目)
池内さおり議員(中央)

1月4日から開会した通常国会は、とりわけTPP協定についての議論が注目されている。昨年10月に『大筋合意』と、大々的に報じられたものの、臨時国会を先送りしたこともあり国会での議論は大幅に遅れている。

池内さおり議員(中央) さらに合意内容を検証しようにも、協定文の正文は英語、スペイン語、フランス語のみで、日本語では訳文すら公開されていないまま3カ月も放置されてきた。

1月7日に“暫定仮訳版”たる798ページが政府のホームページに発表されたが、公表されていない「附属書」は6,000ページを超えるといわれ、国会でも精査が行われていない。

早ければ3月にもTPP関連法案が提出されるとの情報もあり、TPP協定批准に向けた国会承認への動きは山場を迎えている。

医薬品へのアクセス制限される懸念も

初鹿明博議員(左二人目)

川田龍平議員は、1月18日の参院予算委員会で、TPPが医療分野に与える影響について、自ら質問した内容を紹介。過去にアメリカが韓国、オーストラリアと結んだFTAなどにもふれながら、アメリカの製薬企業による圧力を受けて薬価が高騰し、いのちに関わる医薬品へのアクセスが制限されると指摘した。

同氏は、TPPによって薬価高騰が引き起こされると、国による医療費支出の抑制政策に拍車がかかり、「自己負担の増大」「混合診療など保険外療養の拡大」「診療報酬本体の引き下げ」などが今以上に推進される恐れがある。いずれも保険証1枚で、いつでもどこでも誰でも一定水準の医療が受けられる皆保険制度の根幹を揺るがすものだと、TPP締結に対して強い懸念を示した。

(『東京保険医新聞』2016年2月5日号掲載)