高浜原発4号機緊急停止の原因究明と、全ての稼働原発の総点検、原発再稼動の全計画の中止を求めます

公開日 2016年03月08日

2016年3月8日
東京保険医協会
公害環境対策部長 赤羽根 巌

 

 2月29日、関西電力高浜原発4号機が、再稼動後3日で緊急停止しました。変圧器から送電線への異常な電流を検知する機器が作動し、タービンや原子炉が自動停止したもので、関西電力では調査を進めていますが、正確な原因究明には時間がかかる見通しです。

 高浜4号機は再稼働を準備していた2月20日に原子炉補助建屋の配管で放射性物質を含む水漏れが見つかりました。22日、「配管の弁のボルトが緩んでいたことが原因」と発表後、同様のボルトをすべて点検し、予定より1日遅れで「起動試験」を始め、当初の想定通りの26日に再稼働を強行したばかりでした。

 関西電力は、原発停止による業績悪化で電気料が上がることを強調して再稼動を急いだ挙句、また政府が再稼動を推進するなかで今回の事態が生じました。こうした関西電力と政府の姿勢に対し強く抗議します。

 先立って「高浜原発3・4号機の再稼動中止の仮処分決定」の取り消しを行った福井地裁の判決でも、「本件原発において絶対的安全性が想定できない以上、過酷事故が起こる可能性が全く否定されるものではないのであり、万が一過酷事故が発生した揚合に備え、避難計画等を含めた重層的な対策を講じておくことが極めて重要であることは論を待たない」と述べたように、避難計画を含め、政府・関西電力が現時点で万全な対策を取っているとは認めていませんでした。

 原因不明のトラブルを放置したまま、高浜原発4号機の再稼動が許されないのはいうまでもありません。九州電力の川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)でも昨年、設備の細管が損傷し冷却水に海水が流れ込んだことが推定される事態が生じました。原子力規制委員会の審査が通った原発で、再稼働後のトラブルが続いています。過酷な環境にさらされる原発において、このよう事態が連続する以上、現在稼動中の全原発を停止させ総点検するとともに、原発再稼動の全計画を中止するよう求めます。

以上

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