熊本震災 被災地支援ボランティアへの破傷風ワクチン接種無料化を求める要望書

公開日 2016年07月12日

2016年7月12日

内閣総理大臣 安倍 晋三 殿
厚生労働大臣 塩崎 恭久 殿

東京保険医協会
会長 鶴田 幸男

 熊本震災の復旧活動は公的機関や行政から委託を受けた事業者だけでなく、多くの民間ボランティアに依存しています。瓦礫の撤去作業が不可欠ですが、さまざまな困難に直面しています。粉塵による肺炎など健康被害も大きな問題ですが、被災地で問題となっている破傷風菌による感染症は、事前の予防接種により防ぐことができます。

 破傷風菌は発症すると依然6-8割の致死率であり、救命することが難しい疾患です。子供の時に予防接種を受けていても10年経過すると防御できる抗体価以下となり、再接種が必要です。予防接種を受けていない40歳以上はさらに発症の危険性が高いと言えます。実際、東日本大震災の際には、震災後1年で岩手県と宮城県で10件の破傷風の発症が報告されています。

 わたくしたち東京保険医協会では、被災地支援のボランティア活動に敬意を表し、医療団体として皆さまのお力になりたいと考え、微力ではありますが都内数箇所で破傷風の予防接種を無料で実施しています。しかし、より多くの方に接種を受けていただくには公的な支援がどうしても必要です。

 つきましては、被災地で瓦礫撤去などに従事するボランティアの方々が破傷風ワクチンを無料で接種できるように、下記について国へ要望いたします。

 熊本震災の被災地で瓦礫撤去などに従事するボランティアで、破傷風ワクチンの接種を希望する者については、その費用の全額を国が負担すること。

以上

熊本震災 被災地支援ボランティアへの 破傷風ワクチン接種無料化を求める要望書[PDF:83KB]