保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

2016年度インフルエンザHAワクチンの供給および価格に関する要望書

公開日 2016年09月26日

2016年9月26日

厚生労働大臣 塩崎 恭久 殿
厚生労働省健康局長 福島 靖正 殿

東京保険医協会
会長 鶴田 幸男
研究部長 申 偉秀

 貴職におかれては、国民医療の向上に日夜尽力されておられることに敬意を表します。

 さてインフルエンザHAワクチン製造株については、WHOの推奨もあり、2015年度から3価ワクチンに替えて4価ワクチン、すなわちA型はH1N1、H3N2、B型は山形系統とビクトリア系統からそれぞれ1つ、計4種類のインフルエンザ抗原に対応する新ワクチンが導入されているところです。

 これにより2015/2016シーズンにおいては、3価から4価すなわち抗原を1種類増やしたことで、ワクチン卸値の大幅な値上げが実施されました。メーカー各社は製造に必要なコストがかさんだためと説明しましたが、その結果、医療機関としても接種費用の引き上げを検討せざるを得ない状況に追い込まれました。その影響は定期接種である「高齢者インフルエンザ(定期B類)」にも及び、実際に昨年度は、都内の多くの区市町村における接種希望者の自己負担額が2,200円から2,500円に軒並み引き上げられました(※別紙資料を参照)。

 これらの事情が改善されないまま迎えた2016/2017シーズンは、加えて①今年度導入したワクチン株の増殖が緩やかなため製品に仕上げるのに時間がかかる、②「平成28年熊本地震」の影響で、一部メーカーが一定期間ワクチン製造を停止せざるを得なかったことによる減産・生産量低下等の理由から、初期(10月~12月)においてワクチンの流通不足が予測されています。このため今シーズンのワクチン卸値は、大幅な引き上げが行われた昨年の価格よりもさらに割高となっており、医療機関としても昨年度に引き続き接種費用の引き上げを検討せざるを得ない状況となっています。

 9月に入ってから東京都、千葉県等では、季節性インフルエンザによる学級閉鎖が既に散見されており、値上げ幅によっては接種率の大幅な低下を招くことにより今冬のインフルエンザ罹患率の上昇につながることが懸念されます。インフルエンザHAワクチン接種実施における社会防衛上の有用性を鑑み、接種率の大幅な低下とインフルエンザ罹患率の上昇を招かないことが大変重要になっています。

 貴職におかれては、インフルエンザHAワクチン接種希望者が引き続き自己負担の心配なく安心してワクチンを接種出来るよう、速やかに以下の対策を講じていただきたく、ここに要望致します。

要望項目

  1. 2015年度から導入を決定した4価のインフルエンザHAワクチンの価格については、3価のワクチン接種を実施していた2014年度と同程度の価格まで引き下げを行うよう、メーカー各社に対し指導していただきたいこと。
  2. 高齢者等ハイリスクの者に対するインフルエンザワクチン接種(定期B類)については、自己負担分に係る費用の引き上げが起こらぬように、各自治体が助成を積極的に実施するよう速やかに関係所管課に対して周知徹底していただきたいこと。

以上

2016年度インフルエンザHAワクチンの供給および価格に関する要望書 [PDF:105KB]

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