国会行動 ストップ!患者負担増 がん患者の命綱――高額療養費の改悪やめよ

公開日 2016年11月10日

 協会は9月29日に国会要請行動を行い、今春から取り組んできた「ストップ!患者負担増署名」(全国18万筆、東京分1,117筆)を国会に届けた。①-田村-智子議員(参・共産)

 協会からは細田悟、吉田章両理事が3人の東京選出議員に面談したほか、初鹿明博議員(衆・民進)の秘書とも懇談した。それぞれ患者負担増の阻止、麻しん・B型肝炎等の予防接種行政、国による子ども医療費助成制度、障がい者施策などについて、制度拡充を訴えた(写真)。昼には全国から医師・歯科医師ら200人が集まり、来年1月の通常国会に法案提出が狙われる医療・介護分野の患者負担増・給付外しを行わないよう声をあげた。

 9月26日からの臨時国会は2016年度補正予算案、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定の批准承認案ばかりが注目されるが、厚労省の専門部会では医療・介護の患者負担増の具体化が着々と議論されている。このうち「高額療養費制度」は、70歳以上高齢者の月額負担上限額(3割負担:44,400円/月、一般所得:12,000円/月、低所得:8,000円/月)を大幅に引き上げることが提案されている。

③-宮本-徹議員(衆・共産)

 集会では、自身も悪性リンパ腫の患者である全国がん患者団体連合会・理事長の天野慎介氏が、「高額療養費制度はがん患者にとって“命綱”」だと語り、現在の制度を利用しても毎月多額の治療費を支払っている、さらなる改悪はまさに患者のいのちに直結する問題だと訴えた。
②-山添-拓議員(参・共産) さらに4月の診療報酬改定によって、いわゆる「30日を超える長期処方」制限による影響にも触れ、以前は、病状が安定した患者は1回の通院で3カ月等の長期処方を行うと高額療養費制度の恩恵を受けやすかった。しかし、改定により長期処方を控える医療機関が増え、窓口負担が高額療養費の上限に届かず、毎月の支払いに悲鳴をあげるがん患者が多くいると指摘した。

 天野氏は「これほど多くの医師・歯科医師が、患者のために声をあげていることに感謝したい。ぜひ一丸となって反対の声をあげていきたい」と結んだ。

(『東京保険医新聞』2016年10月15日号掲載)