保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

【銀杏並木】日本語が危ない官庁用語

公開日 2015年09月05日

銀杏並木

英語とフランス語を駆使する恩師の、欧州への出張に同行した。現地の研究者とは駄洒落を飛ばしまくって楽しんでいたのに、成田へもどった時に「日本はいいね、日本語が通じる」と言われたのには驚いた。「母国語は、気持ちが通じやすい」という意味だったのかもしれない。

ところで日本に住んで、日本語を使いこなすつもりのこの私が、悲しいことに官報を読みこなせない。日本語で書かれているのに、意味をつかむのに苦しむのだ。言葉の使い方が日常会話とは明らかに異なり、まわりくどい言いまわしには、眩暈さえ感じてしまう。

予算の見直し、集中、重点化は、いずれも「削減」を意味するらしい。削減は意図せぬ結果、かもしれないが、わかりやすい文章だとありがたい。官報に、『公的保険給付の範囲の重点化は、保険給付額を抑制して制度の持続性に貢献すると同時に、公的保険から外れた市場を産業としてのばしていくことにより、経済成長とも整合的であり、社会保障の雇用・成長市場としての側面を損なわずに社会保障改革を進めることができるメリットがある』と書かれている。国民をむりやり制度の外に追い出しておいて、「選択の自由度を高める」とは、へ理屈のように思われる。(ポチ)

(『東京保険医新聞』2015年9月5日号掲載)