公開日 2014年01月25日

東京都は2013年12月5日、ぜん息医療費全額助成制度の助成額を引き下げ、新規患者の受け入れを打ち切る方針を明らかにした。
協会は即日、公害環境対策部長名で東京都に要望書を提出。12月11日には患者会とともに、自動車メーカー前と都庁前での座り込み行動に参加した。
東京公害患者と家族の会と東京あおぞら連絡会は、来年度の予算編成に向け1月14~17日まで都庁前座り込み行動を実施。寒空のなか、「東京都は現行制度の存続に責任を果たせ!東京都・メーカー・国は患者の声をきけ!」と訴えた。
患者会が行った対都交渉で、都が国と自動車メーカーへの追加の財源拠出要請を誠実に行っていなかったことも判明した。
2月9日には都知事選挙が実施される。ぜん息医療費全額助成制度の存続は重要な争点の一つだ。東京五輪開催に便乗した巨大開発に巨額の税金投入を次々と決定しながら、医療・福祉施策は縮小させる、逆立ちした都政の転換が求められている。
「ぜん息医療費全額助成制度 打ち切り方針の撤回を」
原 希世巳 (弁護士/東京大気汚染公害裁判弁護団)
東京都、制度打切り方針を表明

東京都は、昨年12月5日、現行のぜん息医療費全額助成制度を、2015年5月から新規認定を打ち切り、以後は患者の2割負担とする方針を明らかにしました。
これに対して、公害環境対策部長赤羽根先生のお名前で即日抗議の声明を出していただき、ありがとうございました。
東京都は、国や自動車メーカーが追加の財源拠出をしないため、制度存続は困難だと言っています。しかし都は8月~11月に2回ほど国やメーカーに要請に行っただけで、財源拠出のため真剣に交渉していません。
アリバイ的な東京都の財源拠出要請
実際には、いくつかのメーカーが「社会貢献の見地からであれば拠出の可能性はある。具体的な要請をしてほしい」と都に回答していること、また国も「(拠出した60億円のうち)40億円も残っているので追加拠出は困難だが、使途拡大の要望については応じられる。具体的な提案をしてほしい」と回答していることが明らかになっています。
ところがこれに対して東京都はこの2カ月間、何の具体的な要請も提案もしないまま、制度打ち切りの方針を決めてしまったのです。
東京都に方針撤回を求める運動にご協力を
公害患者会は1月10日に東京都と交渉を行い、この点を厳しく追及したところ、東京都は非を認め、今後早急に交渉を詰めていくと約束しました。メーカーが一定の拠出をし、国の拠出金の使途が拡大すれば、「打ち切り」方針の前提が崩れることとなり、その場合は東京都も方針を再検討せざるを得なくなります。
私たちはメーカー等に対して再度の財源拠出等を働きかけていくとともに、再度の要請ハガキ運動、そして医療機関の意見書運動などによって、制度打ち切りを許さない世論を高め、この方針の撤回を求めていきます。
患者さんは必死の思いで運動しています。東京保険医協会の先生方にはこれまでも大きなご協力をいただいてきました。今回もご協力をよろしくお願い致します。
(『東京保険医新聞』2014年1月25日号掲載)