希望するすべての子どもたちにワクチンを!ワクチンパレードに80人

公開日 2015年07月25日

ワクチン行政の充実を訴えるパレード参加者(日比谷公園)

7月2日、子ども支援ネットワークが主催する「ワクチンパレード2015」が開催され、全国から80人もの参加者が六本木・三河台公園から厚生労働省前の日比谷公園まで行進しワクチン行政の充実を訴えた。さらに患者会ではパレード終了後に厚生労働省内で結核感染症課に要望書を提出。記者会見も行い、マスコミ各社を通じてアピールを行った。

2010年に始まったワクチンパレードは6回目を数え、今年の賛同団体は44にのぼり、東京協会をはじめ全国28の保険医協会・医会が賛同を寄せた。

当日は東京協会から拝殿清名会長、竹﨑三立副会長、田中眞希理事をはじめ、三輪操子会員、パレード主催者の一人である細部千晴理事など21人が参加した。

「B型肝炎ワクチン」早期の定期接種化を

2015年1月に厚生労働省の審議会で、B型肝炎ワクチンの定期接種化に向けた意見が取りまとめられ、早ければ、2016年度以降に新たに定期接種に加わる道筋が示された。

しかし、国の方針では「0歳児」に限り定期接種の対象としているが、一方で3歳未満の子どもが感染すると持続感染者になりやすく、将来的に慢性肝炎、肝硬変、肝がんへと進行する危険性も指摘されていることから、患者会では少なくとも「2歳児まで」(3歳未満)を対象とするよう訴えた。

麻疹・風疹への対策の継続が重要

2012年から2013年にかけて風しんが大流行し、全国で45例のCRS児、うち東京では16例が報告された。

流行の中心は20~40代の「成人男性」で、東京都および都内の各区市町村では今年度も独自に予防接種の接種費用の助成を続けている。残念ながら、ほとんどの自治体で「妊娠を希望・予定する女性」に限られており、事業の継続と、「成人男性」も助成が受けられるよう制度拡充が求められる。

2015年3月27日に世界保健機関(WHO)から日本が「麻疹排除状態」であることが認定されたが、排除状態を維持するためにもMRワクチン、とりわけⅡ期の接種率向上と、成人への対策も必要だ。

風しんについても、国が掲げている「2020年までに排除」を達成できるよう、対策の継続と拡充が求められている。

ワクチン行政の充実に向けて

協会では、2月13日付で東京都および都内の各区市町村に対して、「20代から40代の全ての成人男女にMRワクチンの接種助成」の継続・拡充を求める要望書を提出している。

9月には、例年行っている東京都福祉保健局との2016年度予算に関する懇談に向けた準備を進めるとともに、「自治体間の相互乗入の推進」や「健康被害救済制度の充実」などについても拡充を求めていく。

また、ワクチン関連セミナーを引き続き開催するなど会員への情報提供を継続していく予定だ。

(『東京保険医新聞』2015年7月25日号掲載)