多様な事例をもとに トラブル対策を学ぶ(中央)

公開日 2016年12月05日

 11月1日、「様々なトラブルを未然に防ぐには―協会に寄せられる相談事例から」をテーマに中央支部例会を開催し、会員ら15人が参加した。米田衆介支部長の挨拶で開会し、事務局から中央支部の会員状況等について報告した後、協会に相談のあった事例から様々なトラブル対応策について紹介した。

 医師法19条には、患者から診察・治療の求めがあった場合に正当な事由なく拒否してはならない、所謂「応召義務」が定められており、これを盾にクレームをつけたり無茶な要求をしてくる患者の例がある。こういった場合は、お互いの信頼関係が無い状態で「診療契約自体が成立しない」うえ、暴言は明確に犯罪行為であるため従う必要はない、といった事例を示して説明があったほか、保険証を紛失した際に取るべき対応、その日に受診した患者一人ひとりに電話連絡した結果、別の患者に渡していたことがわかり解決した事例などについて解説した。

 また、診断書にまつわるトラブルや、有資格者による業務範囲など多岐にわたり情報提供し、「適切なトラブル対応も必要だが、普段からのトラブルを未然に防ぐ体制を取っておくことが大切だ」と強調した。

 死亡患者の遺族や警察関係者からのカルテ開示請求や、患者から「院長を出せ」と言われた場合にどう対応したらよいかなど、日常の医院経営のなかで直面する様々な問題について体験談や質問を交えた活発な意見交換が行われた。

(『東京保険医新聞』2016年12月5・15日合併号掲載)