保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

【主張】09年 勤務医委員会の活動 現場に依拠し、信頼構築を目標に

公開日 2009年03月05日

 2008年11月15日、第1回勤務医委員会を経て勤務医委員会の活動が始まった。

 この委員会は勤務医だけの権利を主張する会ではない。「東京保険医協会勤務医委員会申し合わせ事項」の目的では、開業医と勤務医が手を取り合って協力し医療崩壊をくい止める運動に取り組むことを強調している。事実、開業医の先生方にも委員になっていただいて貴重な意見が出ている。委員になる唯一の条件は、東京保険医協会の会員であるということである。

 WHOが認めているように先進国の中でもっとも医療コストが低いにもかかわらず、もっとも高い医療水準を維持している日本の医療は、医療現場の一人ひとりの医療者たちの献身的な努力、自己犠牲的な愛によって支えられてきたといったら言い過ぎであろうか。身体的にも経済的にも苦しんでいる患者さんを目の前にして、現場の医療者は自己矛盾とたたかいながら日々の業務をこなしている。しかし、テレビの特番に登場するようなスーパードクターまかせの医療ではもはや立ち行かなくなっている。医師も人間である。自分に余裕がないときに人に優しくなれるだろうか。肉体的にも精神的にも疲れきっている医師に患者は自分の命を託せるだろうか。

 医療崩壊を防ぐ方法、すなわち医療に余裕を持つ方法はふたつある。ひとつは言うまでもなく社会保障費としての「財政」。もうひとつは医師と患者の信頼といった「心」の問題である。勤務医委員会は、このふたつの問題に正面から取り組んでいきたい。医療現場の声を掘り起こし、一つひとつ解決していけるのは、われわれ保険医協会しかないのかもしれない。国民に理解してもらい、お互いの信頼関係を築けるような取り組みをこの1年の目標としたい。

 勤務医委員会は動き始めたばかりだ。勤務医の先生方はもちろんのことすべての保険医の先生方、そして国民、マスコミに向けてさまざまな情報発信や提案、意見交流をしていくための具体化をすすめている。多くの先生方のご協力・ご参加をお願いしたい。

(『東京保険医新聞』2009年3月5日号掲載)

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