診療科別 基準平均点の推移(診療所)~診療報酬改定にほぼ連動~

公開日 2017年07月07日

協会の開示請求により入手した関東厚生局の資料から、集団的個別指導の選定基準となる診療科別の基準平均点(診療所はレセプト1件あたり平均点の1.2倍)の推移を見た(下表)。

170705_01_診療科別基準平均点の推移(診療所)

小児科、産婦人科、泌尿器科、耳鼻咽喉科などが上昇傾向にある。一方、精神・神経科や内科(その他)、皮膚科は降下傾向となっており、特に精神・神経科の低下が著しい。

1996年から始まった集団的個別指導は、診療科毎に一件当りのレセプト平均点数が東京都平均の1.2倍(診療所)を超えた上位8%を選定対象とすることで、医療機関に「高点数にならないように」と圧力をかける不当な仕組みだ。そのため、基準平均点の増減も主に点数改定の影響に収斂してきたようにも伺える。

当初、年2回開かれていたが、現在は5月に1回開催するだけで、年末に予備日を設けているのみだ。

また、東京都も含め多くの府県で「個別部分」は行われず、「集団部分」のみが行われている。高点数だからといって、誤りのない正当な請求を行っていれば、萎縮する必要は全くない。

(『東京保険医新聞』2017年7月5日号掲載)