Bスポット(上咽頭塩化亜鉛)療法研究会 ―ベテラン耳鼻科医による講演と実技―

公開日 2017年07月13日

 協会研究部は、6月3日、Bスポット(上咽頭塩化亜鉛)療法研究会を開催し、35人が参加した。Bスポット療法とは、咽頭捲綿子を用いて「上咽頭」に薬剤(塩化亜鉛、キシロカイン等)を塗布することで慢性上咽頭炎を治療するもので、頭痛、肩こり、自律神経障害をはじめ慢性疾患や不定愁訴の症状改善が期待できる。Bスポット療法に60年間携われてきたベテラン医師、谷 俊治 先生(相田歯科耳鼻科クリニック)を講師にお招きし、ご講演いただいた。

170603_Bスポット療法研究会(谷俊治先生)

上咽頭に薬剤を塗布する捲綿子
先端は少し広がりを持たせる

170603_Bスポット療法研究会(実技のようす)

実技の時間 熱心な参加者のようす

「Bスポット療法研究会に参加して」足立区・平野浩二

上咽頭というと、内科の先生方にはあまりなじみがないかもしれない。鼻腔の奥のつきあたり部分で、風邪のときにターゲットになりやすいところだ。ここには、扁桃と同じような免疫組織が集まっている。この上咽頭を、塩化亜鉛の薬物で刺激すると、さまざまな病気がよくなるのだ。

今回の講演では、その部位に綿棒で薬剤を塗る方法を実践していただいた。実技を重視するのが、保険医協会の研修会の特徴でもある。今日の学習で明日から実践。参加者にはとても有意義な研修会であった。

「実感が一番!Bスポット治療体験」立川市・森本玄始

自分で実感するのが一番と思い、第1号被験者に志願した。始めにグイと咽頭後壁に圧迫がかかった時は、さすがにオエーとなり涙が出た。おそらく、両目がウルウルしていたことと思う。さらに方向を変えて、次のポイント(上咽頭左右)では、谷先生が手加減したのか、ひらきなおった小生の腹が据わったのか、少し刺激が緩和された。

この実演ではキシロカインの使用のみで薬液(塩化亜鉛)を使っていないため、実際の治療では局所への刺激はさらに強いものと思われる。ほんのひとときの患者体験だったので許容できたのだろうと感謝・感激だった。

(『東京保険医新聞』2017年7月15日号掲載)