支部長会 地域重視の取り組みを――「在宅」報酬の大幅減額で撤退も 支部代表から活発な意見

公開日 2014年04月05日

支部長会

20の協会各支部を代表する支部長が一同に会する「支部長会」が、3月19日に協会セミナールームで開催され、支部長10人、支部長代理4人、協会役員15人が参加した。2014年度協会活動方針のほか、各支部の活動報告、協会役員との意見交換が行われた。

拝殿会長の挨拶では「今回の診療報酬改定で在宅医療の分野は、同一建物における訪問診療や在医総管の大幅な減点など厳しいものとなった。80人の患者を診療しているのに、在宅医療を辞めざるを得ないと悩む医療機関もある。協会の今後の活動をいっそう推進していくためにも、是非、地域医療や支部活動、協会本部について自由闊達な意見をいただきたい」と述べた。

支部長会

参加者からは「去年、風しんが都市部を中心に流行し、江東区は予防接種の費用助成をしていた。一時期、ワクチンが不足したため、自費による抗体検査をして、抗体が不充分な場合に接種費用を助成するとした。しかし抗体検査を行う患者は少なく、接種率が下がってしまった。来年度以降も『ワクチン本体の費用助成』が重要であるので協会としても粘り強く要望してほしい」「高齢化社会の進展に伴い、在宅医療がますます重要になり、協会は従来から在宅医療を支える活動に取り組んできた。しかし、最近は新聞で在宅医療を取り上げることは少なく、地域医療に関する政策的な取り組みが不足していると思う。在宅医療・介護にも力を入れて取り組んで欲しい」との要望があがった。

また「発達障害の患者を診療しているが、生活保護の受給者も多い。生活保護バッシングと生活保護法改悪がなされ、生活保護を受給する患者の多くが次は自分たちの生活保護が取り消されないかと危機感を抱いている」「荒川支部では以前、医師と事務局が一緒に未入会の医療機関を訪問し、会員増加に取り組んできた。支部長・役員の先生方も、今こそ事務局と会員拡大を取り組んでほしい」との意見も出された。

(『東京保険医新聞』2014年4月5日号掲載)