公開日 2017年11月15日
会員から「インフルエンザワクチンの入荷が遅れている」、「協会として供給の実態を調査してほしい」との声が寄せられたことを受け、協会地域医療部は10月17日に会員3,510人(小児科、内科等)に「インフルエンザワクチンに関する緊急アンケート」を送付し、10月27日までに都内744件の医療機関から回答を得た(回収率21.19%)。
集計の結果、小児科の75%、内科の64%が「インフルエンザワクチンが足りない」と回答、全体では65%が「足りない」と回答した(図1)。
昨年度の納入量との比較では、「少ない」が67%に達し、「同じ」の25%を大きく上回った。また、「少ない」と回答した会員にその割合を訊いたところ、「2割減」27%、「3割減」21%、「5割減」14%が上位を占めた(図2)。
回答の7割「例年通り接種できず」
インフルエンザ予防接種希望者への対応では、「ふだん診ている患者を優先し、新規希望者は断っている」21%、「定期接種の高齢者を優先している」14%などが続いた。何らかの問題があるとの回答は約7割に及び、「例年通り接種できている」は33%にとどまった(図3)。
「予約システムが崩壊」会員から怒りの声
「入荷の見通しが立たず、ネットの予約システムを停止させた。予約申込のあった方一人ひとりに断りの電話を入れた」、「ワクチン不足がこれほど頻繁に発生するのは異常だ。国が責任を持って安定供給すべきだ」など、アンケートには会員から怒りの声が数多く寄せられている。
ワクチン供給体制の改善は国の責任で
インフルエンザワクチンの供給不足はたびたび発生し、ワクチン接種を希望する国民が接種できない事態を招き、医療現場に混乱をもたらしてきた。国民の命と健康を守るためにも、このような事態を二度と繰り返してはならない。
協会は11月1日、国の責任で「脆弱なワクチン供給体制」の抜本的な改善に取り組むことを求める緊急要望書を厚生労働大臣宛に提出した。
(『東京保険医新聞』2017年11月15日号掲載)