公開日 2017年11月27日
協会研究部は、10月15日に脈管超音波研究会を開催し、30人が参加した。金田智先生(東京都済生会中央病院放射線科)を講師に招き、講演の後少人数のグループに分かれて実習を行った。当日参加した桑原敏樹新宿支部長に感想を伺った。

「研究会に参加して」
新宿支部 桑原 敏樹
私は10月15日に協会で開催された脈管超音波研究会に参加しました。午前は下肢静脈エコー、午後は頸動脈エコーでした。
10時から金田先生に下肢静脈について講演いただき、その後5人ごとのグループに分かれて演習しました。各グループには一人ずつインストラクターの検査技師さんと、被検者の若い男性のモデルさんがいます。エコーの機種は東芝メディカルのXario 200で、インストラクターからプローブの当て方、動かし方、圧迫法やミルキングなどの説明を受けました。
そしてひとり15分30秒の実習です。私は静脈エコーの経験は初めてでしたので、うまくプローブが当てられずインストラクターが手を取って教えてくれました。
大腿静脈の圧迫法はプローブで血管を押しつぶして観察しますが、膝関節付近の静脈は深くなるのでかなり強く圧迫しないとつぶれません。一方、下腿背面の表在静脈はプローブを強く当てるとつぶれてしまい、そっと軽く当てなければなりません。またミルキング操作を行ってみて、静脈の流れはゆっくりだと実感し、吸気と呼気で静脈の血流速度がかなり違うことがわかりました。
午後1時15分から金田先生の頸動脈エコーについての講義を受け、再びグループに分かれ演習しました。まずインストラクターのデモンストレーションがあり、ひとり20分実習を行いました。
私は頸動脈エコー検査を以前から行っていましたので、総頸動脈、外頸動脈、内頸動脈、椎骨動脈については、そんなに時間をかけずに描出できました。しかし苦手だったパルスドプラ法による血流速度の測定は、プローブの角度のつけ方などの指導を受けてよく理解できました。
演習は4時30分で終了し、インストラクターとエコーゼリーで下半身と首をベトベトにしてしまったモデルさんにたちに感謝を込めて全員で拍手を送りました。
最後に金田先生から頸動脈エコーの臨床的意義の講演をきいて、5時に研究会は終了しました。有意義な一日を過ごすことができました。ありがとうございました。
(『東京保険医新聞』2017年11月15日号掲載)