公開日 2017年12月05日
- 温かいご飯が食べられる非常食
- 三角巾の使い方を体験
- 東北の銘酒も―ミニ物産展を開催
11月3日、サルビア会・就労環境部は、3.11を忘れずに災害に備える意識を持つことを目的に、6回目となる市民講座を開催し45人が参加した(協力:宮城県保険医協会)。
はじめに東京消防庁防災部から、首都直下型地震による被害想定の話に続き、「災害時のけがと対処法」として、三角巾を使った応急手当を教わり、参加者全員が実習した。
昼食を兼ねた非常食の試食では、水と発熱剤のセットで温かい食事がとれることを体験。また、復興支援をきっかけに開店した東北バル「トレジオン」の協力で東北物産品の販売が行われた。
午後は「宮城県からの報告」。宮城県保険医協会の横堀育子理事は被災地の現状として、人口減少、高齢化、産業の遅れが相互に関係し悪循環になっていると、復興の地域間格差を示した。
また、口腔内が汚れ免疫力も低下する避難所生活で、口腔ケアが肺炎予防となった例を挙げ、口の中を清潔に保つ方法や、唾液の出し方を紹介。環境が変わり食べることが不便になってから、入歯や治療が必要になっても受診は難しく、いざという時のために普段の管理が大事と述べた。
成瀬清子理事は「災害時に備えて」と様々な情報を集めた。災害時になりやすい脱水への対応として経口補水液の作り方と飲み方、水・薬・塩等の備蓄の必要性、日常携帯している笛やレジ袋について、災害用伝言ダイヤルなど、体の知識を持つとともに、避難用品を整えることの大切さを伝えた。
会場には健康管理クイズポスターや非常用品なども展示され、参加者からは「宮城の経験を生かしたいと思った。忘れないこと、現実を知ることの大切さを感じた」「非常食を普段から食べるローリングストックを実践したい」「災害への準備を再確認しようと思った」などの感想が寄せられた。
(『東京保険医新聞』2017年11月25日号掲載)