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【銀杏並木】日本国憲法第9条改正の必要がない根拠となる第66条第2項

公開日 2018年06月08日

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「内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない(第66条第2項)」「文民」とは「軍人ではない者」「職業軍人の経歴を持たない者」だから、第9条により一切の軍が存在しないのであれば「軍人」というものはありえないのでこの「文民統制条項」は必要ない。

第66条第2項は憲法制定前の極東委員会における中華民国代表の意見による。なぜなら、第9条のいわゆる「芦田修正」により「defence force」を保持することが解釈上可能になったと客観的に考えたからだ。

「マッカーサーノート」の第9条に当たる案は「①紛争解決のための手段としての戦争」以外に「②自己の安全を保持するための手段としての戦争」の放棄も定められていた。しかし、米国総司令部は最初から②を対象から削除した。自衛戦争は否定することはあり得ないと考えたのは当然であろう。そうでなければ、日本国は国家とは言えない。

第1項「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」第2項「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」文理解釈しても1項は、「侵略戦争や武力の威嚇や行使を国際紛争解決の手段としては、永久に放棄」しているが、2項前段と合わせても自己安全保持のための防衛を放棄しているとは読めない。

よって、第9条と第66条第2項の制定の経過からいって、自衛隊は合憲である。また、政府は一貫して自衛隊は合憲としてきたのである。そうであれば、憲法9条を変える必要はないであろう。

歴史的にみれば、いろいろな学者や政党は「自衛隊違憲」を観念的に訴えてきた。「しかしながら、組織学習には、組織の行為と成果との間にギャップがあった場合には、既存の知識を疑い、新たな知識を獲得する側面があることを忘れてはならない。 その場合の基本は、組織として既存の知識を捨てる学習棄却(un-learning)、つまり自己否定学習ができるかどうかということなのである」(『失敗の本質―日本軍の組織論的研究』より)(チッチ)

(『東京保険医新聞』2018年5月25日号掲載)

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