保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

国会行動―損税解消・ゼロ税率実現求める

公開日 2018年07月11日

180705_01_国会行動(初鹿議員)
初鹿明博議員(衆・立憲)
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山花郁夫議員(衆・立憲)

 6月14日の国会行動には、須田昭夫、吉田章両副会長が参加し、(1)医療への「ゼロ税率」適用と消費税10%への引き上げ中止、(2)MRワクチン不足の解消とワクチン供給体制の抜本的改善を要望した。当日は、保団連主催の署名提出集会に全国の協会・医会から160人が参加し、「医療への免税取引として『ゼロ税率』を適用するとともに消費税10%引き上げ中止を求める院長署名」(3,602筆、うち東京協会658筆)を提出した。

◎病院(190床)9,000万円の負担

通常は消費税の最終的な負担者は消費者だが、診療報酬は非課税のため医療機関は仕入れにかかる消費税を患者に転嫁できずに「損税」として負担し続けている。院長署名には「損税負担は不合理」「診療報酬の引き上げ率よりも材料費や人件費等の高騰が激しく、損税負担がさらに増えれば病院経営は立ち行かない」との切実な声が寄せられ、会員の10%を超える署名が集まり、損税問題の深刻さが浮き彫りになった。

署名提出集会では、保団連が3月に実施した「消費税負担額概算調査」によって、医科無床診療所では保険収入のうち2.79%が「損税」負担である現状が明らかになり、医療機関・患者双方のためには「ゼロ税率」の適用が必然であるとの報告があった(下グラフ参照)。

180705_01_損税負担

「損税」負担の実態…
保団連が6月14日に発表した消費税負担額概算調査(2017年確定申告をもとに試算)では、平均で無床診療所219万円、有床診療所768万円もの「損税」を負担している。これは保険診療等の非課税収入の2%超を占める。
病院の損税負担はさらに深刻で、東京都内の189床の病院では、年間9,000万円との報告も寄せられている。
2019年10月から消費税10%への引き上げが実施されれば、医療機関の経営、地域医療に今以上の打撃を与えることは必至で、しわ寄せは患者さんにも及ぶ。
医療に「ゼロ税率」を適用すれば、「損税」負担分(無床診218万円、有床診767万円)が医療機関に還付される。これにより、医療機関と患者さん双方の負担は解消し、「損税」問題は抜本的に解決する。

さらに須田昭夫副会長が「よりよい医療のために日々奮闘する医療機関にしわ寄せが及んでいる」と発言するなど、参加者は医療の質を守るため損税解消を実現する決意を新たにした。

集会に前後して行った議員要請では、初鹿明博(衆・立憲)、山花郁夫(衆・立憲)、笠井亮(衆・共産)、田村智子(参・共産)各議員との本人面談が実現し、秘書対応で羽生田俊(参・自民)、古川俊治(参・自民)、川田龍平(参・立憲)各議員と懇談した。

懇談のなかでは「190床の病院で年間9,000万円の損税を出しているとは、その影響の大きさに驚いた」「医療機関の規模によっても負担額が異なり、診療報酬に上乗せしても実態にそぐわないだけでなく窓口負担が増えてしまう。改めて『ゼロ税率』の必要性を感じた」と協会の主張に理解を示す声も上がった。

ワクチン供給体制については、「厚労省は流通過程において調整しているというが、ワクチン供給は民間任せの状況だ」「外国人観光客増加に伴う感染症対策の強化という面から、MRワクチン接種は、予算措置も含めて実現できる余地がありそうだ」「ワクチン接種助成については、自治体に要望してみてはどうか」等の意見が出された。

協会は引き続き損税解消とともにワクチン供給体制の改善を求めていく。

(『東京保険医新聞』2018年7月5日号掲載)

 

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