保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

【主張】2019年度 東京都予算に望む

公開日 2018年09月03日

東京保険医協会は7月18日、「2019年度 東京都予算等に関する請願」を小池百合子東京都知事および都福祉保健局に提出した。

東京都予算等に関する請願は協会が毎年行ってきた。特に2018年度には社会保障分野で数々の改善が見られた。例えば、救急隊が6隊60人の増員、NICU整備目標の引き上げ、医療的ケアを必要とする児童・生徒への通学支援、子ども食堂の運営費補助、特別養護老人ホーム等の整備費補助の拡充、心身障害者医療費助成の精神障害者への対象拡大などである。東京都予算におけるこれらの前進面を大いに評価しながら、今回もわれわれの提言を伝えていきたい。

請願の内容は、国保広域化に伴う財政支援、後期高齢者の保険料軽減、地域に必要な医療提供体制の確保などのほか、都立病院を独立行政法人化しないこと、高齢者支援、介護保険給付の充実、東京五輪に向けた感染症対策、豊洲市場の汚染対策など多岐にわたるが、都民生活に直結するものばかりだ。

2018年4月から国保の運営責任者が東京都に移されたが、その結果、実に9割の区市町村で保険料が値上がりした。「誰もが安心して払える国保料」を実現するために、東京都独自の財政支援の強化・拡充を強く求めたい。

感染症対策では、都の予算を活用した「30~50歳代の成人男女に対するMRワクチン接種の実施」を提案した。抗体価の低い世代を中心に、麻疹・風疹の流行が繰り返されており、東京五輪の際には海外からの麻疹流入が激増する可能性があり、緊急の対策を行う必要がある。

豊洲新市場をめぐっては、小池都知事と専門家会議が、追加工事により「安全性が確認された」と表明した。しかし、土壌の深刻な汚染には手を付けておらず、問題は何も解決していない。東京都が強調する「安全」だという結論は、早急ではないか。都民の台所と、新市場で働くことになる労働者の安全を、どう守っていくのか。協会は市場関係者への、特殊健診の実施を要求した。

東京五輪開催まで2年を切ったが、オリンピック開催までに東京都が負担する経費は、約1兆4,000億円にのぼると試算されており、都民生活を支える社会保障関連の予算に、影響が出ることを危惧する。東京都には、都民の生活と暮らしを充実させるための予算を、十分に確保するよう強く要求していきたい。

(『東京保険医新聞』2018年8月25日号掲載)

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