「指定医療機関医療担当規程の一部を改正する件(告示)」に関する意見

公開日 2018年10月16日

2018年9月14日

厚生労働省
社会・援護局保護課保護事業室企画法令係 御中

[案件番号:495180143] 

東京保険医協会
政策調査部長 須田 昭夫

日頃より国民のいのちと健康を守るため、ご尽力くださっていることに敬意を表します。
さて、「指定医療機関医療担当規程の一部を改正する件(告示)」に関する意見募集について、下記の通り意見を提出いたします。

【意見】
指定医療機関における後発医薬品の給付の原則化を撤回してください。

【理由】
生活保護法第34条第3項は、これまで「被保護者に対し、可能な限り後発医薬品の使用を促すことによりその給付を行うよう努める」と規定されていましたが、今般「原則として、後発医薬品によりその給付を行う」と改定されました。
日本国憲法は、第14条において「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」と規定し、法の下の平等を定めています。生活保護受給者のみに後発医薬品の使用を原則化することは、日本国憲法第14条の「法の下の平等」の趣旨に明確に違反しています。
さらに、現状では精度管理の出来ていない後発医薬品が報告されており、後発医薬品は物質特許が切れていても製剤特許や製法特許が残っているために新薬と同一の製剤や製法でない場合が多いことが明らかになっています。
先発医薬品と後発医薬品は、主成分が同じでも全く同一ではあり得ません。①主成分量の正確さ、②不純物の含有量、③溶解時間の安定性、④供給の安定性などの問題があります。①は、微量で大きな作用を発現するホルモン剤や循環器系の薬剤で重要です。②は、後発医薬品にほとんど必ず含まれる不純物が、アレルギーやショックの原因となる事実があります。③は、小腸に届いてから溶けたり、長時間をかけてゆっくり溶けさせるのには、高度な技術が必要な問題です。④は、後発医薬品が欠品しやすく、災害時に安定供給できるかという疑問です。また、製品に問題が発生した時の連絡体制にも不安が残ります。先発医薬品と後発医薬品は完璧な同一性を証明されておらず、同一物として取り扱うことには問題があります。
このような状況の中で、後発医薬品の使用が原則とされることにより、生活保護受給者の治療内容の制限につながり、十分な治療が受けられなくなる恐れがあります。また、医師の処方権への侵害・圧力にもつながります。

上記の理由から指定医療機関における後発医薬品の給付の原則化を撤回することを強く求めます。

以上

180915【パブコメ】指定医療機関医療担当規程の一部を改正する件に関する意見/PDF版[PDF:202KB]