保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

在宅医療講習会に301人―複雑な在宅点数に強くなろう

公開日 2018年11月26日

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審査指導対策部は10月25日、神田駿河台で在宅医療講習会を開催し、会員ら301人が参加した。テキストは、全国の保険医協会が共同で作成し、10月に発行した『在宅医療点数の手引2018』。会場では講師の説明を受け熱心に『手引』に目を通す姿が見られた。

重症化する在宅患者が急増する一方、点数が煩雑に

政府は、2025年度に「地域医療構想」の病床機能分化により30万人を入院医療から在宅医療に移行させ、自然増分を加味すると、現行60万人の在宅患者が同年には倍以上の130万人となると予測している。協会に寄せられる相談でも、在宅医療で重症化した患者の対応について質問が増加している。

今年4月の診療報酬改定では、在宅医療の機能強化が評価される一方で、在宅療養支援診療所以外の評価が低いなどの声が寄せられている。

前回2016年改定で、在宅時医学総合管理料・施設入居時等医学総合管理料に「単一建物診療患者人数」など在宅患者の居住条件が算定要件に盛り込まれたが、今次改定では、さらに「包括的支援加算」、「継続診療加算」が新設されるなど、いっそう複雑な制度に改編された。そのため在宅医療への新規参入を躊躇する医療機関も少なくない。政府が病院から在宅へ患者を追い出す方針のなかで、在宅医療の受け皿が不十分なのではないかという不安の声も聞かれる。

今次改定では在宅ターミナルケア加算等の要件に「人生最終段階の医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」が加えられるなど、「ガイドライン」を要件にする報酬が増加したのも今次改定の特徴である。

介護保険報酬との給付調整、煩雑な加算への対策は『在宅医療点数の手引』で

参加者からは、「特別養護老人ホームの配置医師とそうでない場合、ショートステイ、グループホーム等の入所者の算定はどうなるのか」、「在宅自己注射指導管理料、在宅中心静脈栄養法指導管理料を実施した場合の加算や薬剤・保険医療材料の算定の仕方はどうか」などについて質問が出た。

複雑な算定の際に、厚生労働省の通知や市販の点数本で複数のページを繰りながら四苦八苦しているとの声もある。『在宅医療点数の手引』は、こうした煩わしさを少しでも解消する目的で編集している。

『手引』には、今年10月診療分から記載が求められた『レセプト電算処理システム用コード』も各点数項目毎に記載している。介護保険との給付調整については「要介護被保険者に算定できる点数」、「要介護・要支援者に対する医療保険点数の算定可否」、「配置医師のいる施設入所者の医療」の一覧などを独自に作成し、理解しやすいように工夫している。

協会を活用して、診療報酬制度に熟知しよう

挨拶に立った赤羽根巌審査指導対策部員は、「より複雑となった在宅点数を前に、患者のために行った医療行為を正確に保険請求するには、制度を熟知することが重要だ。そのために協会は役立つ情報を提供していく。レセプトの返戻、減点なども軽視しないで、納得のいかないものについては再審査請求して欲しい。協会を大いに活用していただきたい」と、参加者に呼びかけた。

(『東京保険医新聞』2018年11月25日号掲載)


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