全国反核医師のつどいが開催―長崎を最後の被爆地に

公開日 2019年01月09日

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11月3日、4日、長崎市内で第29回全国反核医師のつどいが開催され、全国から医師・歯科医師・医学生ら218人が参加した。東京反核医師の会からは片倉和彦(協会理事)、向山新(協会会員)、矢野正明(東京歯科協会理事)各代表委員が参加した。日本医師会も後援しており、当日は横倉義武会長の祝電が寄せられたほか、田上富久長崎市長、森崎正幸長崎県医師会長の挨拶があった。

今回は被爆地長崎での開催ということで、被爆体験者による証言、核兵器の人体・環境に与える影響や、福島原発事故の被害の構造についても報告された。

記念講演では、朝長万左男医師(日赤長崎原爆病院名誉院長)が原爆が人体に与える被害について解説。白血病、がんや心臓病などの重大な疾患は原爆の後遺症として生涯続くことを指摘した。

分科会では、松延栄治氏(長崎民医連)から2011年~2013年になされた「被爆体験者聞き取り調査」の報告があった。長崎県の原爆被害者は爆心から東西約7キロ、南北12キロの地域外で被爆した場合、被爆者手帳は交付されない“被爆体験者”として扱われる。

しかし、爆心地から遠距離の場所であっても原爆爆発時に生じたすすや灰、黒い雨によって脱毛、下痢といった急性症状のほか、がんや心臓病などの放射線由来の健康被害が生じており、被爆体験者も被爆者として扱うべきだと訴えた。

(『東京保険医新聞』2018年11月25日号掲載)