【パブリックコメント】「予防接種法施行令の一部を改正する政令(案)」等に関する意見

公開日 2019年01月17日

 地域医療部は、2019年1月17日に厚生労働省健康局健康課予防接種室宛に、「予防接種法施行令の一部を改正する政令(案)」「予防接種法施行規則及び予防接種実施規則の一部を改正する省令(案)」に対するパブリックコメントを提出した。

2019年1月17日

厚生労働省
健康局健康課予防接種室 御中

東京保険医協会
地域医療部長 森本 玄始

 日頃より国民のいのちと健康を守るため、ご尽力くださっていることに敬意を表します。
 さて、「予防接種法施行令の一部を改正する政令(案)」等に関する意見募集について、下記の通り意見を提出いたします。

 

【意見】
風疹の第5期予防接種の実施にあたり、以下の対策を実施してください。
・風疹の第5期予防接種のすべての対象者(現在39歳から56歳の男性)に対して、職域・地域で健康診断の実施時に、血液検査を省略できる年代であっても風疹抗体価を必ず測定し、低抗体価であった対象者にワクチン接種を積極的に勧奨し、確実なワクチン接種につながる施策を講じること

【理由】
2001年11月7日~2003年9月30日までの期間に限って、1979年4月2日~1987年10月1日生まれの男女はいつでも定期接種(経過措置分)として受けられるキャッチアップ制度が作られましたが、接種率上昇につながりませんでした。
この教訓を活かし、対象者が健康診断時に必ず風疹抗体価を測定し、低抗体価であった場合に、確実にワクチンを接種できる体制を構築することが緊急に求められています。

 

【意見】
風疹の第5期予防接種の実施にあたり、以下の対策を実施してください。
・抗体検査及び定期接種に必要な、検査試薬、ワクチンの増産確保をすること

【理由】
2018年11月に当会が実施した「予防接種に関する緊急アンケート」では東京都内の約3割の医療機関が「MRワクチンが足りない」と回答しました(別紙1[PDF:281KB])。
ワクチンはひとたび供給不足に陥れば、どれほど有効な対策が取り組まれていたとしても効果を発揮することはできません。脆弱なワクチン供給体制を改善し、安定的なワクチン供給体制を構築することが風疹対策の大前提です。国産ワクチンの増産と合わせて検査試薬を確保することが喫緊の課題となっています。

 

【意見】
風疹の第5期予防接種の実施にあたり、以下の対策を実施してください。
・風疹の第5期予防接種とは別に、風疹流行の大部分を占める東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、福岡の7都府県の30~50歳代の男女に対し、抗体検査なしにMRワクチンを公費接種すること

【理由】
抗体検査を前提としていては、MRワクチンを接種する対象者は限定的となり、2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでに風疹流行を抑え込むことは困難です。風疹流行の大部分を占める7都府県(別紙2[PDF:151KB])で、男女を問わず、抗体検査なしにMRワクチンを接種することがオリンピックに向けた最も有効な感染症対策です。MRワクチンの接種は麻疹の輸入感染に対しても効果を発揮します。
7都府県と緊急に協議し、他の世代に比べ風疹発症者の多い30~50歳代の男女に対し、抗体検査なしにMRワクチンを公費接種してください(別紙3[PDF:238KB])。

 

以上

【パブコメ】20190117__予防接種法施行令の一部を改正する政令(案)[PDF:515KB]

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