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【パブリックコメント】医療機関等における消費税負担に関する分科会における「議論の整理」等への意見

公開日 2019年01月25日

 経営税務部は、2019年1月23日に厚生労働省保険局医療課宛に「医療機関等における消費税負担に関する分科会における『議論の整理』等」に対するパブリックコメントを提出した。

2019年1月23日

医療機関等における消費税負担に関する分科会における「議論の整理」等への意見

東京保険医協会
経営税務部長 横山 佳明

 今般、控除対象外消費税について、消費税10%引き上げに向けて基本診療料への補てんで対応する案が示された。診療報酬への補てんでは、患者負担に消費税相当分が上乗せされる。基本診療料への上乗せであれば患者の理解が得られるのではとの意見が示されているが、そもそも、社会保険診療等に係る医療は国民の生存権を保障するもので消費税はなじまないという政策主旨に反する。

 「今改定により医療機関種別・病院種別ごとの補てん率のばらつきが相当程度是正される」と結論付けているが、標榜科目や設備投資の有無などにより全く異なる。例えば、厚労省の調査で診療所の補てん率は2016年度で111.2%とされているが、当会会員の一般内科の診療所で試算した結果、補てん率は79.3%に過ぎなかった。中医協分科会でも、診療報酬の補てんでは医療機関ごとのばらつきが解消しないことは、繰り返し議論されている。

 診療報酬の補てんでは控除対象外消費税の抜本的解決にならないばかりか、患者負担が増えることに加え、医療機関の間で補てんに伴う不公平が生ずる。今後、税率がさらに引き上がるようなことがあれば、矛盾はさらに拡大する。控除対象外消費税を抜本的に解決するには、個々の医療機関の申告により還付を受ける「ゼロ税率」の適用しかない。

 厚労省での調査の誤りや改ざん、隠蔽が次々と明らかとなっている。中医協分科会においても2014年度補てん状況調査に誤りがあったことが報告された。それまで厚労省は、消費税率5%から8%への引き上げによる控除対象外消費税については「マクロでは概ね補てんを確認した」としてきた。2014年度分の調査結果は2015年11月に公表されたが、誤ったデータのまま2016年度と2018年度の診療報酬改定が行われたことになる。しかも、2016年度データは診療報酬改定が終わった2018年7月に公表された。2018年度改定前に出すことも可能であったはずだ。

 同分科会の議論でも、委員から調査で設定した点数の開示を求める要求が相次いだが、厚労省は最後までを公表を避けた。さらに、「診療報酬の補てんでは個別医療機関ごとのバラツキは解消しない」、「診療報酬で補てんするのは限界」との意見で一致していたはずだが、今般の「議論の整理」には全く反映されておらず、厚労省の作意があったと言わざるを得ない。猛省を促すとともに全力を挙げて調査の改ざん、隠蔽等の再発防止の徹底を求める。

190123【パブコメ】「医療機関等における消費税負担に関する分科会」における議論の整理[PDF:106KB]

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