国会行動―マイナンバーの利用拡大狙う 医療保険関連法の一括審議はやめよ

公開日 2019年03月13日

協会は2月21日に国会議員要請を行い、須田昭夫副会長、細田悟理事が参加した。「医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律案」(医療保険関連法案)の拙速な一括審議への反対を要望し、初鹿明博(衆・立憲)、宮本徹(衆・共産)、小池晃(参・共産)、山添拓(参・共産)各議員らと懇談した。

通常国会で一括法案として審議される医療保険関連法案の内容は、マイナンバーカードによるオンライン資格確認、電子カルテの標準化など医療機関支援のための医療情報化支援基金の新設、医療保険および介護保険のレセプト情報等のデータベース利活用や民間事業者への情報提供など7項目に集約される(下表参照)。

医療関連法(案)の主な内容
(1)オンライン資格確認の導入
(2)オンライン資格確認や電子カルテ等の普及のための医療情報化支援基金の創設
(3)NDB(レセプト情報、特定健診等情報データベース)、介護DB等の連結解析等
(4)高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施
(5)被扶養者等の要件の見直し、国民健康保険の資格管理の適正化
(6)審査支払機関の機能の強化
(7)その他

患者のプライバシーに関わる内容が多数盛り込まれており、情報漏洩の危険が高まる恐れがある。法案の内容については項目ごとに慎重かつ丁寧な論議を行う必要があり、一括法案の形で審議を進めるべきではない。

懇談した国会議員からは、「ポイントカードの情報が裁判所の令状なしに捜査当局に提供されている事例もあることから、現政権において進められているマイナンバーの利用拡大で個人情報が恣意的に利用されない保障はない」「マイナンバーカードによるオンライン資格確認が導入されれば、消費税10%への増税が予定されている上に、手続きの電子化のために機器の購入等が必要となり、医療機関の経営をさらに圧迫することが懸念される」など、協会の要望に賛同、理解を示す意見があった。

(『東京保険医新聞』2019年3月5日号掲載)

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