集団的個別指導 前年から108件増加 19年度指導計画開示される

公開日 2019年06月04日

 関東信越厚生局東京事務所は、協会の開示請求に対して2019年度の指導計画と各科別平均点数を明らかにした。


◆集団的個別指導 全科5月30日に実施

 今年の集団的個別指導は5月30日に全科を対象に実施される予定となっている。なお、11月と1月に予備日が設定されているが、必ず行われるものではなく、実施は未定である(表1)。集団的個別指導の2019年実施予定件数は589件であり、昨年度の481件から108件増加した。また、今年度から東京でも指定更新時集団指導が行われることとなった(12月に実施予定)。

表1 2019年度の指導計画

 集団的個別指導は、医療機関を表2のように類型区分ごとに分け、1件あたりのレセプトの平均点数が高い順に医療機関を集めて講習会形式で行われる。2019年度の指導の場合は2018年度のいずれかの月のレセプトが対象となる。どの月が対象なのかは現在明らかにされていない。

表2 集団的個別指導の類型区分別の基準平均点と選定数

 指導対象は、レセプトの平均点数が診療所は東京都の平均の1・2倍、病院は1・1倍であり、さらに平均点数が類型区分ごとの医療機関数の上位8%に該当する医療機関である。正当な理由無く欠席すると個別指導の対象となるため注意が必要だ。

 集団的個別指導は、点数が高いという理由のみで多くの医療機関を集め、指導を行うという不合理な仕組みであり、協会は長年にわたり廃止を求めている。

 現在は協会の要求が一部実現し、集団的個別指導に選定された医療機関が、自院の平均点数の開示を求めた場合は必ず回答するよう、厚労省が各地方厚生局に対して事務連絡を出している。選定された医療機関の開設者または管理者は、電話等により、本人確認の上で、厚生局に対して自院の平均点数を開示請求することができる。


◆新規個別指導からの再指導に注意

 診療所への新規個別指導は、今年度は8、11、1、3月を除いた全ての月で実施される予定だ。新規指導は、新規開業や法人化等をした医療機関に対して概ね開業1年から2年程度の間に行われる。新規指導自体は新規開業等を理由に行われるものであり、保険請求や診療内容に問題があると見なされて選定されるものではないが、東京では新規個別指導から再指導となる割合が10%前後と、近年高い水準で推移しており、注意が必要である。


◆指導の通知が届いたら保険医協会へ相談を

 診療所への個別指導は、今年度は新規指導よりも件数が多く、8月と3月を除いた全ての月で行われる予定である。また、今年度は11月・1月については2回にわたり実施される。個別指導は新規指導とは異なり、再指導や、患者・保険者・審査支払機関などからの情報提供などの理由で行われる。個別指導の結果、再指導になるケースも多く、東京では近年50%前後が再指導に選定されている。

 個別指導は相談できる窓口が少なく、医師1人で抱え込んでしまうケースが少なくない。指導の通知が届いた際にはぜひ協会にご相談いただきたい。

(『東京保険医新聞』2019年5月5・15日合併号掲載)