保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

国会行動―特養あずみの里裁判 不当判決について懇談

公開日 2019年06月12日

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伊藤俊輔議員(衆/立憲、右)
 
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宮本徹議員(衆/共産、右)
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初鹿明博議員(衆/立憲、左)
 
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山添拓議員(参/共産、中央)

 協会は5月16日に国会議員要請を行い、須田昭夫、吉田章両副会長、細田悟理事が参加した。

 特養あずみの里業務上過失致死事件裁判の不当判決について、伊藤俊輔(衆・立憲)、初鹿明博(衆・立憲)、宮本徹(衆・共産)、山添拓(参・共産)、各議員本人と面談した他、末松義規(衆・立憲)、山花郁夫(衆・立憲)、笠井亮(衆・共産)、松原仁(衆・社保)、古川俊治(参・自民)、川田龍平(参・立憲)、吉良よし子(参・共産)、小池晃(参・共産)、田村智子(参・共産)、各議員秘書と懇談した。

現場を無視した不当判決

 2013年12月12日、長野県安曇野市の特別養護老人ホーム「あずみの里」でおやつを食べた入所者が意識を失い、その後亡くなったことに対して、看護職員が業務上過失致死罪で起訴され、2019年3月25日、長野地方裁判所松本支部は20万円の罰金刑を言い渡した。

 当初の訴因は見守り義務違反だったが、検察側は「おやつにゼリーではなくドーナツを配ったこと」に訴因変更し、後者の訴因により有罪とされた。当該入所者には嚥下障害がなかったこと、死因についても疑義がある等、裁判中に指摘された様々な論点を無視した不当な判決である。

 協会は「特養あずみの里業務上過失致死事件裁判で無罪を勝ち取る会」に加入し、支援を行っている。

協会の要望に賛同の声

 当日は、①医療・介護現場への刑事司法の過剰介入は、現場に人が集まらなくなる、リスクを恐れて入所者よりも職員の自己防衛を優先せざるを得なくなる等現場の萎縮につながること、②事件の背景にある慢性的な介護現場の人手不足を解消するために、国が責任を持って介護職員の増員、介護報酬の充実に取り組むことを説明・要望した。

 懇談した国会議員からは、「食事をすることは大切な人権だ。今回の判決が認められるのであれば、入所者の食事を流動食とすることが推奨されるだけでなく、胃瘻の設置に関わる考え方にも影響を及ぼすだろう。入所者の尊厳に大きく関わる問題だ」「今回の判決により介護職員は精神的恐怖を抱えながら日々の仕事をすることになる」「現場の感覚や実態が理解されないまま刑事司法が介入している。今後、判例とされないように大きな運動にしていくことが必要だ」など、協会の要望に賛同、理解を示す意見があった。

(『東京保険医新聞』2019年6月5日号掲載)

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