葛飾支部例会を開催―特養あずみの里裁判、深刻な担い手不足を懸念

公開日 2019年07月01日

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 葛飾支部は6月7日、笹鮨(青砥)で支部例会を開催し、会員ら10人が参加した。石垣宏支部長が「“令和”初の支部例会、多様な話題で意見交換したい」と挨拶し、開会した。

 情勢の話題に関連して、公的年金だけでは老後資金を賄えないとした金融庁報告書や妊婦加算再開への動きについて、困惑する声が上がった。医師法第21条に関する厚労省医政局が発出した2月通知が事実上撤回されたことにも議論が及び、「まさに朝令暮改だ」との意見が出た。

 今年4月1日から働き方改革関連法が一部施行され、年次有給休暇を10日以上付与される労働者に対して、有給休暇の年5日の時季指定が義務付けられた。「週1日しか勤務していない職員も対象となるとは知らなかった」「自院の就業規則で、休暇についてどのように定めているか確認する必要がありそうだ」といった感想が述べられた。

 また、特養あずみの里裁判事件について拝殿清名理事が話題提供し、意見交換を行った。民事では施設と遺族との間で示談が成立しているにもかかわらず、看護職員個人が刑事告訴され、長野地裁では有罪判決が出されている。介護現場で働く個人を訴えた検察の手法について、「今後ますます医療や介護の担い手がいなくなってしまうのではないか」「控訴審は東京高裁で行われる。東京でもこの問題を取り上げていきたい」と議論が盛り上がった。

 次に佐藤一樹理事から、日常診療の話題としてオーソライズド・ジェネリック(AG)について情報提供があった。複雑なジェネリック医薬品業界をはじめ、一般名処方された薬を薬局が誤って処方した例などを解説し、多数の質問が寄せられた。

 最後に、平瀬悦子副支部長が「日々診療に追われる中、支部例会は外に目を向けるきっかけになっている」と挨拶し、閉会した。

(『東京保険医新聞』2019年6月25日号掲載)