保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

練馬支部例会を開催 - 顔認証での本人確認も マイナンバーの危険性を指摘

公開日 2019年07月04日

 練馬支部は6月19日、かっぽう照で支部例会を開催し、8人が参加した。

 冒頭、4月から順次施行されている有給休暇取得義務化など働き方改革関連法について、「パート職員に関しても年5日の有休取得の対応が必要なのか」等の質問が出た。

 ほかにも「医療機関に課せられる義務が多くなっていて大変だ」「年5日の年次有休の確実な取得は特に診療所への影響が大きい。私を含め3人体制で運営しているが、診療体制を維持したまま、どのように職員に有休を取得させるべきか悩ましい」といった意見が出た。
 続いて問い合わせの多いカルテ開示請求について、申偉秀理事は、「ポイントはどこからカルテ開示請求を受けているのかだ」と述べた。

 そのうえで「裁判所からの請求については回答が義務付けられているが、それ以外であれば断ることも可能だ。患者の遺族に開示する場合、開示前に遺族全員の同意を得ておけば、トラブルになる可能性は少ない」「カルテそのものを開示するのではなく、処方していた薬の添付文書で代用してもよい」と説明した。

 また、ベンゾジアゼピン受容体作動薬の減量・置換について、「認知症発症や骨折のリスクを考慮すると、減薬することが望ましいが、患者との信頼関係を損ねないよう他の薬との併用から実践してほしい」とまとめた。

 後半は吉田章副会長から5月15日に成立した医療保険関連法について解説があった。「2021年3月にはマイナンバーカードを健康保険証として使えるようにする制度が始まるが、顔認証で本人確認を行う計画も浮上している。電子カルテの標準化により自動集積される医療情報を生体認証で確認可能なシステムが存在することは、国民にとって大きな脅威となる」と説明した。

 質疑では参加者から「ベンゾ系作動薬の処方量を減らすには、診療報酬で誘導するのではなく、薬の添付文書への記載から進めていくべきだろう」「このままではマイナンバーにあらゆる情報が集積されることになる。政府はとても危険な武器を手にしてしまう」等、様々な意見が出され、議論が尽きなかった。

 その後の懇談のなかでは「父の代も含めると70年の開業になる」「有床診は人件費等の維持が大変なのでそろそろやめたいと考えている」などの声が出た。参加者同士で改めて自己紹介を行う場面もあり、終始穏やかな雰囲気で進行した。
 最後に永田雅文副支部長が「今日の支部例会で学んだことを、明日からの診療に役立てていただきたい」と挨拶し、閉会した。

【写真】練馬支部例会0619

(『東京保険医新聞』2019年7月5日号掲載)