保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

国会行動 プラス改定・周知期間の確保を

公開日 2019年12月10日

PB070963  
全国から集められた署名を議員に手渡した
PB071082
伊藤俊輔議員(衆・立憲)左から2人目
PB071084
初鹿明博議員(衆・立憲)左から2人目
PB070903
山添拓議員(参・共産)左から2人目

 

 協会は11月7日、国会議員要請を実施し、東京選出の全国会議員に「診療報酬の改善を求める医師要請署名」1079筆を提出した。須田昭夫副会長、吉田章副会長、細田悟理事が参加し、伊藤俊輔議員(衆・立憲)、初鹿明博議員(衆・立憲)、川田龍平議員(参・立憲)、宮本徹議員(衆・共産)、山添拓議員(参・共産)本人と面談した。

 署名の要請項目は、①国民に安全な医療を提供するために、医療機関の経営が成り立つ診療報酬とすること、②新点数の告示・通知から実施までの周知期間を2カ月以上設けること―の2点。会員医療機関からは署名とともに「もう経営の限界だ。職員給料も払いきれない。診療報酬を引き上げてください」など切実な声が寄せられている(「署名に寄せられた会員の声」参照)。

 

改定スケジュールには無理がある

 新点数の周知期間の確保について、面談した議員からは「現状の診療報酬の改定スケジュールに無理があるのは明らかなので、厚労省に照会したい」、「周知期間は、半年は必要だと思う。消費税増税に伴う診療報酬改定も本年10月に実施されており、新点数の実施を7月や10月からにできない理由はないはずだ」、「現状のままでは医療現場が疲弊し、政府が掲げる働き方改革にも逆行する」等の発言があった。

 協会からは、改定のたびに医療現場に大きな混乱がもたらされている実態の改善を訴えた。

 

患者・利用者の負担増は容認できない

 政府は今後、①75歳以上の窓口負担2割化、②医師が処方する市販類似薬の保険外し、③医療機関受診時の定額負担導入、④ケアプラン作成の有料化、⑤介護の2割負担対象者の拡大、⑥要介護1・2の生活援助サービスを介護保険の給付から外すこと等を計画している。

 議員からは「患者負担増の提言は容認できない。国民の生活や暮らしのことを政府は考えていない」、「受診抑制と重症化を招く」、「患者負担増の流れは止めなければいけない」との発言が相次いだ。

 

公立・公的病院は「日本の財産」

 厚労省が再編議論を促した全国424の公立・公的病院をめぐって、「公立・公的病院の再編統合の話は、現場の実態と乖離した一方的なもので、あまりにもひどい。先日も奥多摩病院院長と懇談した。地域に必要な病院で、厚労省はデータを撤回すべきだ」、「台風被害の視察で奥多摩病院の方から話を聞いた。孤立した集落を戸別訪問し、必要な薬を届ける活動には頭が下がった。東京で議論の対象となった病院はすべて必要な病院であり、厚労省の姿勢には憤りを覚える」、「公立・公的病院をなくしたら、だれが救急と不採算医療を担うのか、病床は日本の財産だ」等、議員からは厳しい批判の声があがった。

 その他、10月に実施された消費税増税の医療機関への影響、消費税の損税解消等についても意見交換を行った。

 また、末松義規議員(衆・立憲)、笠井亮議員(衆・共産)、小池晃議員(参・共産)、田村智子議員(参・共産)、吉良よし子議員(参・共産)の秘書と面談した。

 

                                                    
 ▶署名に寄せられた会員の声

・労働時間が毎日14時間くらい。報酬は以前よりかなり減っているし、職員の給料が払いづらい。

・入院診療を止め、無床診療所にして人件費を減らしました。

・消費税導入以降、ほんの一時的な点数上昇に終始し、政府は医療施設に持ち出しをせまるだけであり、中小病院、高齢開業医は閉院を検討し始めています。医療を守らず、医療費を縮小することは、結局重症者を増やし、医療費の減少にはつながらないと考えます。

・消費税はこれからますます上がる傾向にあるので、医療はゼロ税率にしてほしい。

・開業以来初めてワクチン代金の値上げをしました。若いパパやママには申し訳ない思いでいっぱいです。経営が成り立つようにしてほしいです。

・法人税を引き下げられ、過去最高額の内部留保を貯め込んでいる大企業から適正に税を徴収し、診療報酬を含む社会保障費の財源とすべし。

・初診料・再診料が安すぎます。われわれは、誤診の無いよう、相当な神経を使い診療しています。1回の再診料よりも薬1錠の方が高い場合が多くあり、疑問を感じます。

・診療報酬は、医師側が負っているいわれのないクレーム、感染症等のリスク、患者に対する充分なサービスを提供するための目に見えない支出負担を考慮してほしい。
 

 

(『東京保険医新聞』2019年11月25日号掲載)