保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

国会行動 定額負担の拡大 中止を

公開日 2020年03月05日

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伊藤俊輔議員(立憲・衆)
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川田龍平議員(立憲・参)
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宮本徹議員(共産・衆)

 

 協会は1月30日、国会議員要請を行った。要請内容は、①紹介状なしで大病院を受診する場合の定額負担対象拡大の中止、②カジノ誘致の断念と、IR関連法の廃止、③マイナンバーカードによる保険証の資格確認の中止、の3点。

 当日は、須田昭夫副会長、吉田章副会長、細田悟理事が行動に参加し、伊藤俊輔議員(立憲・衆)、川田龍平議員(立憲・参)、宮本徹議員(共産・衆)、初鹿明博議員(無所属・衆)と面談した。

 

定額負担の対象拡大は受診抑制につながる

 紹介状なしで大病院を受診する場合の定額負担について、特定機能病院および地域支援病院(許可病床数400床以上)が対象となっている現在の基準を、一般病床200床未満を除く地域医療支援病院まで対象を広げることが全世代型社会保障検討会議や中央社会保険医療協議会(中医協)で議論され、2月7日の中医協答申に盛り込まれた。実行に移されれば、対象が約250病院増えることになり、ほとんどの地域医療支援病院が対象になる。

 また、負担額も現在よりさらに増やすこと(現在は初診時5000円以上、再診時2500円以上)が検討されている。しかし、地域の特性や医療提供体制を考慮すれば、今回の対象拡大には無理がある。受診時定額負担は患者の受診抑制につながる可能性があるため、これ以上の患者負担増を認めることはできない。

 議員からは、負担増に対する批判とともに、受診抑制を懸念する意見が聞かれた。

 

カジノ誘致で広がるギャンブル依存症

 政府はカジノを含むIR事業を成長戦略の一環に位置付け、2016年にIR整備推進法、2018年にIR整備法を成立させ2020年半ばの開業を目指し準備を進めている。

 しかし、経済や地域活性化をカジノのようなギャンブルに頼るのはそもそも筋違いであり、ギャンブル依存症の増加、治安悪化を招くことは必至だ。一度ギャンブル依存症になれば経済的に破綻し、周囲の人々との人間関係も壊され人生そのものが狂わされる。

 ギャンブル依存症にならないためにはギャンブルをできる環境にしない、つまりカジノを造らないことが最善の方策だ。国民の健康を守る医療の専門家集団として、政府の施策が病気を生み出すことを見過ごすことはできない。

 議員からは、「ギャンブル依存症の増加や生活環境の悪化などを懸念する声が多く寄せられているのに、強引に進めようとしている」「背後に米国のカジノ企業の影があるのは間違いない」といった意見が上がった。

 

マイナンバーカードによる保険証資格確認は中止を

 2020年度の予算案では、概ねすべての医療機関ができる限り早期に読み取り端末やシステム等を導入できるように医療情報化支援基金に768億円(468億円増)が計上された。社会保障審議会医療保険部会では、顔認証付きカードリーダーを支払基金が当該基金を活用して一括購入し医療機関等に提供する案が出された。

 政府は早ければ2021年3月にもマイナンバーカードを保険証として使えるようにし、2022年度末までにほぼすべての医療機関でカード利用ができるようにする計画だ。

 従来の保険証で受診できるにも関わらず患者はマイナンバーカードを持ち歩くことになり、紛失の危険が伴う。万一、漏洩や目的外利用が発生した場合に個人が被る被害は甚大だ。顔認証技術についても、個人情報保護の観点から問題点が指摘されている。国民と医療機関に不要な負担を強いて、プライバシー侵害につながるマイナンバーカードによる保険証の資格確認は中止すべきである。

 議員からは、「顔認証が医療機関で導入されると、現場は大混乱するのではないか。世界的には顔認証を制限する動きもある。その流れに逆行するものだ」「オンライン資格確認が導入されれば、さらに窓口業務は煩雑化していくだろう」といった声が出た。

 その他、古川俊治議員(自民・参)、末松義規議員(立憲・衆)、舩後靖彦議員(れいわ・参)の秘書と懇談した。

(『東京保険医新聞』2020年2月15日号掲載)