保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

ー2020年度点数改定―「かかりつけ医」推進姿勢 強固に

公開日 2020年03月13日

新設された主な点数

診療情報提供料(Ⅲ) 150点
婦人科特定疾患治療管理料 250点(3月に1回)
遠隔連携診療料 500 点(3月に1回)
精神科退院時共同指導料1(外来又は在宅側)(入院中に1回)
   精神科退院時共同指導料(Ⅰ) 1, 500点
   精神科退院時共同指導料(Ⅱ) 900点
 精神科退院時共同指導料2 700点(入院側)(入院中に1回)
腎代替療法指導管理料 500点(患者1人につき2回)

 2020年4月診療報酬改定では、診療所に係る医学管理料・加算が複数新設されたほか、既存の点数でも小児科外来診療料などで対象年齢の拡大、施設基準の届出が求められる、等の変更が行われた。主なものを紹介する。

 なお、細かな算定要件については3月上旬に厚労省から発出される予定だ。詳細は3月下旬に協会が開催する新点数説明会で解説する。

電話等再診時の診療情報提供料(Ⅰ)が算定可能に

 電話等による再診の際に、治療上の必要性から、休日又は夜間において下記イ~ハのいずれかに該当する救急医療機関の受診を指示した上で、同日に診療情報の提供を行った場合について、診療情報提供料Ⅰ(250点)が算定可能となった。

イ地域医療支援病院(医療法第4条第1項)
ロ救急病院等を定める省令に基づき認定された救急病院又は救急診療所
ハ「救急医療対策の整備事業について」に規定された病院群輪番制病院、病院群輪番制に参加している有床診療所又は共同利用型病院

診療情報提供料(Ⅰ)の変更点

 医療的ケア児が通う学校の「学校医等」に対して、診療情報を提供した場合も算定可能となった。主治医が義務教育諸学校において、当該患者が生活するにあたり看護職員が実施する診療の補助に係る行為について、学校医等が指導、助言等を行うにあたり必要な診療情報を提供した場合に算定できる。当該医療機関の主治医と学校医等が同一の場合は算定できない。

小児料外来診療料の変更点(要届出)

①算定対象患者の年齢が3歳未満から6歳未満に拡大された。
②院内・院外処方にかかわらず同一月内に投薬が行われない場合は、「処方箋を交付する場合」で算定するとされた。
③小児抗菌薬適正使用支援加算について、算定対象患者が3歳未満から6歳未満に拡大されるとともに、月に1回に限り算定できるとされた。
④新設された診療情報提供料(Ⅲ)は包括外とされた。
⑤施設基準の届出が必要となった。

小児特定疾患カウンセリング料の変更点

①公認心理師が実施した場合の点数が新設された(200点)。一連のカウンセリングの初回は医師が行うものとし、医師の指示の下、公認心理師が当該医師による治療計画に基づいて療養上必要なカウンセリングを20分以上行った場合に算定できる。継続的にカウンセリングを行う場合においても、3月に1回程度、医師がカウンセリングを行う。
②対象患者に家族又は同居者から虐待を受けている又はその疑いがある者を含むことが明確化された。

(新)診療情報提供料(Ⅲ)150点

①下記イ~ニのいずれかの届出を行っている医療機関が紹介元または紹介先となっている患者について、診療状況を示す文書を提供した場合、提供する医療機関ごとに患者1人につき3月に1回に限り算定できる。
イ地域包括診療加算
ロ地域包括診療料
ハ小児かかりつけ診療料、
ニ在宅時医学総合管理料若しくは施設入居時等医学総合管理料(在宅療養支援診療所・病院に限る)
②産科若しくは産婦人科を標榜している医療機関から紹介された妊娠中の患者について、診療に基づき、頻回の情報提供の必要性を認め、患者の同意を得て、紹介元の医療機関に情報提供を行った場合は、月1回に限り算定できる。

(新)婦人科特定疾患治療管理料(要届出) 250点

 婦人科又は産婦人科を標榜する保険医療機関において、入院外の器質性月経困難症の患者であって、ホルモン剤(器質性月経困難症に対して投与されたものに限る)を投与している患者に対して、婦人科又は産婦人科を担当する医師が、患者の同意を得て、計画的な医学管理を継続して行い、かつ、療養上必要な指導を行った場合に、3月に1回に限り算定する。

 治療計画を作成し、患者等に説明して同意を得るとともに、毎回の指導内容の要点を診療録に記載する必要がある。

【基準】
(1)当該保険医療機関内に婦人科疾患の診療を行うにつき十分な経験を有する常勤の医師が1名以上配置されている。
(2)(1)に掲げる医師は、器質性月経困難症の治療に係る適切な研修を修了していること。なお、ここでいう適切な研修とは次のものをいう。
(ア)国及び医療関係団体等が主催する研修である。
(イ)器質性月経困難症の病態、診断、治療及び予防の内容が含まれるものである。

(新)腎代替療法指導管理料(要届出) 500点

 下記の要件を満たす入院外の慢性腎臓病の患者に対して、患者の同意を得て、医師が看護師と共同して、診療方針等について十分に話し合い、その内容を文書等により提供した場合に、患者1人につき2回に限り算定する。

 1回の指導を30分以上行う必要がある。
(ア)慢性腎臓病の患者であって、3月前までの直近2回のeGFR(ml/分/1・73㎡)がいずれも30未満の場合
(イ)急速進行性糸球体腎炎等による腎障害により、急速な腎機能低下を呈し、不可逆的に慢性腎臓病に至ると判断される場合

ニコチン依存症管理料の変更点

 同管理料が従来のⅠと一連の指導を評価したⅡに分かれた。
①従来のⅠの2回目から4回目に情報通信機器を用いた診療に係る評価が新設された。(155点)
②初回から5回目までの一連のニコチン依存症治療に係る評価であるⅡが新設された(800点)。初回指導時に1回に限り算定する。

 算定する場合は、患者の同意を文書により得た上で初回の指導時に診療計画書を作成し、患者に説明し交付するとともに、その写しを診療録に添付する。

 Ⅱを算定した場合でも、2回目から4回目の指導について、情報通信機器を用いて実施することができる。
③加熱式たばこの喫煙者も対象となった。

外来栄養食事指導料の変更点

①診療所における外来栄養食事指導料について、当該医療機関の指示に基づき他の保険医機関又は栄養ケア・ステーションの管理栄養士が栄養指導を行った場合に外来栄養食事指導料2(初回250点、2回目以降190点)が新設された。
②2回目以降の栄養食事指導について情報通信機器を用いて行う場合の点数が新設された。

生活習慣病管理料の変更点

①算定要件に糖尿病患者に対して眼科受診勧奨に関する要件が追加された(年1回程度)。
②療養計画書の記載項目(様式)に歯科受診の状況に関する記載欄が追加された。

(『東京保険医新聞』2020年3月5日号PR版掲載)