保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

[シリーズ]コロナ禍での診療を考える④

公開日 2020年09月25日

コロナ禍での診療を考える④ 禍・禍・禍

P3220282

小松川医院 田﨑 ゆき

「コロナ禍」とは、新型コロナウイルスが招いた災難や危機的状況を指す言葉、だそうだ。

 零細開業医にはまず、早春から初夏にかけてのマスクやアルコールの品薄がソレだった。2月初旬に備蓄を追加しようとした時にはもはや手遅れ。2月中旬以降、卸からは全く入らなくなり、Amazon、楽天、Yahoo!にアスクルその他を右往左往。入荷の情報にサイトへ飛べば「お一人様1点限り」+通常ではありえない高価格。それでも院内在庫欠乏の状態では買うしかなかった。感染拡大防止等支援事業で取り戻せるのかしらん。

 「その状況で感染対策と言われても~」が次なる危機的状況。換気だけは窓が大きく3方向にあるので対応出来るが、それ以外は「無いものは無い」。

 マスクもアルコールもゴム手袋もシールドも足りない、ガウンは数えるほどしかない(もともと備蓄は少ない)。消毒用エタノールの枯渇で無水アルコールを精製水で薄めたり、グリセリンやヒアルロン酸を混入して使ったのも初めて。10年前、タミフル脱カプで苦労したことといい勝負。どっちも2度とごめんだが。

 入口を別にしたり別室を設けるのは構造上不可能。時間で分けるしかないのだが、乳幼児健診とワクチンタイムの前後は入れられない。電話問い合わせの度にワタワタ。

 6月には区PCRセンターへの手上げ書面も来たが、申し訳ないと思いつつ手上げできず。唾液でのPCRも初回は手を上げられず。スタッフも私も前期高齢者、ドア1枚隔てた居住部分には90を過ぎた母が…となれば、思いは「地域住民の為にどんどん受けるべき」でも、現実には発熱者の受け入れに及び腰になるのも無理はなかろと苦しい自問自答。

 続いて訪れた(否、今も続く)危機的状況が、患者激減=保険収入激減。に加えて保健所の乳幼児健診と3歳児健診が3月から3カ月休止、他所での健診業務も休止=ここの収入0。小学校、幼稚園、保育園に子ども園とすべての健診もストップ、緊急事態宣言発令後はさらに外来患者数が減り一桁の日々で4月5月はいやいやどうしましょで。

 小児まるめが6歳までとなったのも減収に追い打ち。持続化給付金があると言われても、50%減には絶妙に届かない40%台。ゆえに申請出来ない。実家で家賃の心配はない分、家賃支援には該当しない。税金やら何やら取り立てるものは払え払えさー払えと引き落とされてゆく。

 いやー、この先いつまで医院継続できるんだろか?とハラハラ、胃はキリキリの日々(泣)。

(『東京保険医新聞』2020年9月25日号掲載)