[要請]国による医療機関へのいっそうの支援を求める緊急要望書

公開日 2020年10月08日

2020年10月8日

内閣総理大臣   菅 義偉 殿
厚生労働大臣 
田村 憲久 殿
財務大臣   麻生 太郎 殿

東京保険医協会
会長   須田 昭夫
政策調査部長   吉田  章
 

国による医療機関へのいっそうの支援を求める緊急要望書
 

 貴職におかれましては、国民医療の確保のために尽力しておられることに敬意を表します。

 東京保険医協会は、9月14日に会員医療機関4,685件に第4回「新型コロナウイルス感染症による医業経営への影響【アンケート】」をFAXで送付し、9月18日までに都内683件の医療機関から回答を得ました(回収率14.6%)。

 集計の結果、一般診療所(回答数645件)の83.3%で外来患者数が減少し、81.4%で保険診療収入が減少していることが明らかになりました。また「減少した」と回答した医療機関のうち約5割が、外来患者数と保険診療収入がともに3割以上減少していました。(9月上旬の状況を前年同期と比較して回答。別紙アンケートまとめ [PDF:2MB] 図1・2参照)。

 6月に当会が実施した同内容の調査と比べると、外来患者数と保険診療収入でともにやや改善の傾向が見られますが、依然として患者の深刻な「受診控え」が続いています。

 医療機関は、新型コロナウイルス感染患者を受け入れている、いないに関わらず、地域で役割分担をしながら、医療提供体制を担っています。政府は9月15日、第2次補正予算の予備費10兆円から新型コロナ追加対策として、1兆6,386億円を支出することを閣議決定しました。しかし、内訳はいずれも新型コロナ感染症患者または疑い患者を受け入れる医療機関に限定されたものです。感染患者を受け入れていない病院・一般診療所への支援(減収補填)は見送られました。しかし、すべての医療機関は、新型コロナウイルス感染者に対応した態勢をとり、感染者の発見に努めています。

 社会保障費を抑制する政策のもとで、病床数や保健所数が削減され、医療提供体制は新興・再興感染症に対して脆弱なものとなりました。さらにコロナ禍での受診控え等による減収も終わりが見えません。医療機関は収入が減少する一方で、諸経費とリスクばかりが増加し、存続が危ぶまれています。

 地域医療を守り、医療崩壊を防ぐために、以下の施策の実現を強く要望いたします。

 


[要望項目]
一、患者が安心して受診できる環境を早急に整備してください。
一、新規開業を含むすべての医療機関に対し、診療報酬「概算払い」を活用した減収分への給付など、緊急の財政措置を講じ、医療機関が存続できるようにしてください。
一、家賃支援給付金制度の支給要件を緩和してください。

以上

国による医療機関へのいっそうの支援を求める緊急要望書[PDF:166KB]