国会行動 現場に沿った支援を

公開日 2020年12月12日

伊藤俊輔(衆・立憲)
川田龍平(参・立憲)
山添拓(参・共産)

 協会は11月12日、国会議員要請を行い、須田昭夫会長、細田悟理事が参加した。

 10月から申請が開始され、現在実施されている「発熱外来診療体制確保支援補助金」の仕組みの再検討を軸に、会員医療機関の経営状況の窮状を訴えた。

 発熱患者を受け入れることは医療機関にとってもリスクがあり、時間的・空間的に一般患者との動線を分ける等の体勢を取る必要が出てくる。しかし、現行の支援補助金制度は、患者を診察すればする程、減額される仕組みであり、出来高算定と包括点数を基本とする現行の診療報酬体系の原則と乖離している。診療した患者数に応じて支払うか、申請した時点で十分な支援を行う等、制度の抜本的な見直しが必要だ。その他、発熱外来に係る診療報酬の充実や、報告システム(HER―SYS)の入力内容の簡素化や、問い合わせ体制の拡充も併せて要望した。

 また、COVID―19の流行により、臨時的取扱いとして電話やオンライン機器を用いた初診が認められているが、10月8日の田村憲久厚労相、河野太郎行政改革担当相、平井卓也デジタル改革担当相の3大臣による会合で、新型コロナ収束後も「安全性と信頼性をベースに、初診を含め原則解禁する」ことが合意された。安全性や有効性の十分な検証がないままにオンライン診療が一般化・恒久化されれば、健康被害等の問題が生じる懸念がある。長期的なデータを基にした慎重な検討が必要だ。

 当日は、伊藤俊輔(衆・立憲)、川田龍平(参・立憲)、山添拓(参・共産)各議員および、末松義規(衆・立憲)、宮本徹(衆・共産)、吉良よし子(参・共産)小池晃(参・共産)、田村智子(参・共産)各議員秘書と懇談した。

 懇談した議員からは、「発熱外来診療体制確保支援補助金は積極的に発熱患者を受け入れる医療機関を支援する制度になっていない。本来、保健所が担うべき業務を医療機関に負担させるのであれば、申請した医療機関が報われる制度にする必要がある」「オンライン診療を全面的に解禁することは現状の技術では難しいだろう。慎重に検討するべき内容だ」「新型コロナウイルス感染症が流行している今、医療機関の閉院・廃業が相次げば、国民全体のいのちや健康に関わる重大な問題になる。今が大事な局面であり、これまでの減収分も含めて支援することが必要だ」等、協会の要望に賛同する声が出された。

(『東京保険医新聞』2020年12月5・15日合併号掲載)

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