国会行動 緊急の財政支援を

公開日 2020年12月24日

伊藤俊輔(衆・立憲)
松尾明弘(衆・立憲)
宮本徹(衆・共産)
小池晃(参・共産)
田村智子(参・共産)、
山添拓(参・共産)

 

 協会は12月3日、国会議員要請を行い、吉田章副会長、細田悟理事、水山和之理事が参加した。

 ①全医療機関へ財政支援を緊急に実施すること、②75歳以上の窓口負担を引き上げる検討をただちに中止すること、③保険証資格確認にマイナンバーカードを使用しないこと、の3点を要請した。 伊藤俊輔(衆・立憲)、松尾明弘(衆・立憲)、宮本徹(衆・共産)、小池晃(参・共産)、田村智子(参・共産)、山添拓(参・共産)各議員本人と面談した他、末松義規(衆・立憲)、笠井亮(衆・共産)、川田龍平(参・立憲)、吉良よし子(参・共産)、各議員秘書と懇談を行った。

限界を迎える医療体制 一律の財政支援求める

 COVID―19の第3波により全国の重症者や新規感染者数は過去最多を更新し続けており、医療提供体制は限界を迎えつつある。発熱患者の診療等を行う「診療・検査医療機関」に対し設けられた「発熱外来診療体制確保支援補助金」は、実際に来院した発熱患者数に応じて減額されるという不合理な仕組みだ。様々なリスクを冒しても診療・検査医療機関に登録した医療機関に対し、国が一律で財政支援することを求めた。 

 また、コロナに対応しているか否かに関係なく、患者の受診控え等による減収対策として「概算払い」を活用するなど、緊急の財政措置を行うよう併せて要請した。これに対し議員からは「医療提供体制を守るために、減収補填等の支援を行うことが必須だ」「コロナ禍のなかで医療機関が財政的な心配なく治療に専念できるようにという要望は重く受け止める」と理解を示す発言が出た。

包括支援交付金 柔軟な運用を

 また、田村智子議員との懇談の中で、医療分として各都道府県に交付された2兆3000億円の新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金のうち、11月16日時点で執行されたのは5600億円で約25%に過ぎないことが判明した。首都圏では神奈川県や千葉県の執行率は8%台で、感染が広がっている大阪府や愛知県でも20%に届いていない。東京都は全国で2番目に高いがそれでも48・43%に過ぎない。田村議員は「交付金の使い勝手の悪さが原因だ。早急に都道府県の判断で柔軟に使えるようにすべきだ。年度末までに未執行の場合、『必要がなかった』として国庫返還になりかねない」と述べた。地域や感染拡大状況によっても必要とする支援内容は異なる。国には医療提供体制確保のため、用途をいたずらに限定することなく柔軟な運用を要求している。併せて、都道府県には申請方法の簡略化や、申請相談窓口の拡充をはかるよう要望を行っていく。

75歳以上の窓口負担引き上げ中止を求める

 懇談の中で75歳以上の高齢者の窓口負担2割への引き上げ中止や消費税減税なども含めた多面的な支援を求めた。議員からは「現在のコロナ禍での高齢者の自己負担2割化には反対だ」「2割負担化には自民党内からも異論が出ており、与党は動揺している。国民や医療関係者と力を合わせて引き上げ中止を実現させたい」「税の軽減措置を野党がいち早く提案していく必要がある。消費税のほかにも所得税の減税も考えていくべきだ」と賛同する意見が多く出た。

(『東京保険医新聞』2020年12月25日号掲載)

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