[声明]辞任を表明した東京五輪大会組織委員会 森会長の女性蔑視発言に抗議し、五輪再考を要望する

公開日 2021年03月10日

2021年2月12日

辞任を表明した東京五輪大会組織委員会 森会長の女性蔑視発言に抗議し、

五輪開催再考を要望する

  東京都保険医協会
会長 須田昭夫
サルビア会・就労環境部長 田中 眞希

 

 

 2021年2月3日に開催した日本オリンピック委員会(JOC)の評議員会において、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の森喜朗会長は、JOC の女性理事の登用を4割以上にするという目標に関して、「女性の理事を増やしていく場合は、発言時間をある程度、規制をしないとなかなか終わらないので困ると誰かが言っておられた」などと発言した。この一連の発言は、「いかなる種類の差別も認めない」というオリンピックの精神および東京大会が掲げる「多様性と調和」のビジョンに反している。

 国内外から大きな批判を受けたものの謝罪・撤回で済ませようとしたが、ついに世論におされて退任の運びとなった。しかし後任会長は自らが指名して引き継ぎ、さらに相談役として組織に残るという。このようなことが会長の一存で決定される組織であるならば、森氏が残留する限り、女性蔑視以外にも、誤った固定観念に囚われて発言し、判断する体制が継続するだろう。

 また、コロナ禍での五輪開催となれば、医療従事者に今以上の負担(選手や観客へのPCR検査、陽性時の収容、重症者への対応など)を強いる上、都民に充分な検査・医療が提供出来なくなることが予想される。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会においては、都民・専門家から幅広く意見を聴取し、開催に伴うリスクを鑑みて冷静な審議に全力で取り組んでほしい。

 森氏の差別発言に厳しく抗議するとともに、コロナ禍における東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催の再考を組織委員会に求める。

以上

森会長への抗議声明と五輪開催再考要望[PDF:54.9KB]