第96回定時評議委員会・第103回定時総会 今こそ協会の出番

公開日 2021年05月07日


参加者全員の賛成で総会決議が承認された(3月27日、協会セミナールーム)

 協会は3月27日、第96回定時評議員会および第103回定時総会を開催した。

 総会には、会員1029人(うち委任状989通)が出席し、須田会長が「これからも会員の要求に応えた活動を続け、安心して医療を受けたいと願う人々と連携していきたい」と挨拶した。

 総会議事では、2021年度事業計画および2021年度予算、総会決議が提案され、全員の賛成で承認した。

 依然として新型コロナウイルス感染拡大の収束の見通しが立たないなか、「感染対策にこれまで以上に時間と労力がかかる上、発熱外来の対応やPCRセンター業務などが加わり、開業医の負担は限界にきている」「『診療・検査医療機関』に対する補助金も3月末で終了する。政府は医療機関に対する十分な財政措置をとるべきだ」といった意見が出た。

 総会終了後は、短時間の懇親会を開催した。出席者からは、感染症を災害対策と位置付けるアメリカと比べて日本の危機管理意識の低さが指摘された。また、コロナ禍での受診控えによる減収が続く一方、これまで以上の感染対策徹底により、医療機関の負担が増えており、医院経営が深刻な状況に追い込まれているとの訴えがあった。この他にも、保健所の統廃合をはじめとして、これまで日本の社会保障がいかに削減されてきたかが今回のコロナ禍で浮き彫りになった等の発言もあり、これからの協会活動への期待が寄せられた。

 例年は、入会50年および傘寿を迎えた会員に敬意を表し表彰を行っているが、今回は新型コロナウイルス感染拡大の状況を考慮し、表彰式を中止し、メッセージを募った。13人の会員から「点数早見表や月刊誌等、協会からの情報提供がいつも役に立っている」「75歳で閉院した後、保険医年金のおかげで仕事の負担を減らしながら過ごすことができた。他の先生方にもぜひ加入を勧めてほしい」等、協会への激励や要望の声が届き、総会で紹介された。


懇親会では、出席者から各地域の医療の現状が語られた

(『東京保険医新聞』2020年4月15日号掲載)