新型コロナワクチン接種前の休薬、退薬および飲食抜きを回避する緊急要望書

公開日 2021年07月13日

2021年7月13日

内閣総理大臣   菅 義偉 殿
厚生労働大臣  田村 憲久 殿
新型コロナウイルスワクチン接種
 推進担当大臣 河野 太郎 殿
東京都知事  小池 百合子 殿

東京保険医協会
         会   長    須田 昭夫
研究部長  申 偉秀

新型コロナワクチン接種前の休薬、退薬および飲食抜きを回避する緊急要望書 

 

 新型コロナウイルス感染症への対応にご尽力のこと、心からの敬意を表します。
 現在、新型コロナワクチン接種が本格化する中で、全国の開業保険医の多くは集団接種会場や大規模接種会場に出向いて接種を行うとともに、自院での個別接種にも取り組んでいます。
 その臨床現場では、被接種者がワクチン接種後に、①安定していた家庭血圧が突如上昇、②血管迷走神経反射(結果血圧低下)による短時間の意識障害・意識消失を、引き起こす症例を少なからず経験しております。
 一方、接種前問診を実施する中で、健康診断と混同して通常服用している降圧薬や心不全薬や喘息薬や糖尿病薬等を休薬や退薬して接種会場に来られたり、食事を摂らずにワクチン接種に臨まれる方や夏季にもかかわらず水分を充分に摂らずにワクチン接種に臨まれる方が散見されます。
 このような接種前の自己判断による休薬や退薬により疾患が増悪したり、発作的な血圧上昇を引き起こして重篤な脳血管疾患を発症し場合によっては死亡につながることが危惧されます。また、飲食を抜いた被接種者が、循環血液量が少なくなる脱水の状態により血管迷走神経反射の症状がより強く出現することも危惧されます。
 実地医家の立場から、国家的な接種が広範に進められている新型コロナワクチンをより安全に接種するために、以下の項目にご留意いただけるよう緊急に要望いたします。
 

 

 

一、 新型コロナワクチン接種に際し、医療機関から内服薬を処方されている被接種者に対して「自己判断による接種前の休薬、退薬を行わないこと」を関係各所および広く国民に対して周知させること。

 

一、 一般の被接種者に対して、「通常どおりの食事や充分な水分を摂取してワクチン接種に臨むこと」を関係各所および広く国民に対して周知させること。

 

以 上


新型コロナワクチン接種前の休薬、退薬および飲食抜きを回避する緊急要望書[PDF:137KB]


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