公開日 2021年10月15日
協会は保険診療の頼れる相談相手
杉原 桂(千代田区)
保険医協会と聞いて何を想像するだろうか。一体何をしてくれるのかわからないし、はじめて聞く団体だし、反核がどうとかあったりして、政治団体だろうか。宗教的組織なのではないだろうか。そんな不安をいだく人もいるだろう。
僕もあなたと同じく、そんな疑念をもつ一人であった。しかしながら自分で開業し保険医協会さんのサポートを得てから、この不安は吹き飛んだ。
私たち保険診療をおこなう医師にとって、大きな悩みは保険診療システムだ。この処方が通るのかどうか。書類の不備はないか。そのルールも米国のように明文化が徹底しているわけでもない。担当者によって通ったり通らなかったり、いまだにさじ加減で決まってしまうような極めて曖昧模糊とした、コントロールする側にとって都合のよい方式になっている。
だからこそ、個人ではたちうちできない。他のクリニックや過去の症例でどうだったのか、そうした情報の集積が大切になってくる。それを担うのが保険医協会である。
私の場合は先に開業していた知人の医師2人が先導してくれた。1人は細部千晴先生である。ワクチン政策に志を高くもつ先生からご紹介いただいたのが最初のきっかけであった。つづいては、多摩センター勤務時代にお世話になった唐木田こどもクリニックの飛田正俊先生である。飛田先生が「保険医協会があるから何でも相談できて本当にいいよ」と推してくれたことは大きかった。
保険診療についてすでに相談相手がいる、親御さんの後を継ぐような方にとってはローカルルールを知りぬいた現地の先達から濃い情報を得られるのかもしれないが、少しでも新しい保険診療のルールについて学びたい、あるいはスタッフさんに勉強する機会、ツールを提供したいという人であれば、入会して損はないと思う。
ぜひ、仲間にはいっていただけたらと思う所存である。
(『東京保険医新聞』2021年10月5日号掲載)